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南木曽土石流5年  「教訓語り継ぐ」献花式で誓い

梨子沢右岸の「平成じゃぬけの碑」前で黙とうする参加者たち=9日、南木曽町読書梨子沢右岸の「平成じゃぬけの碑」前で黙とうする参加者たち=9日、南木曽町読書
 木曽郡南木曽町読書の梨子(なし)沢で2014年7月に発生した土石流災害から5年となった9日、町が設けた「平成じゃぬけの碑」前で献花式があった。土砂に流されて亡くなった中学1年生、榑沼(くれぬま)海斗さん=当時(12)=の自宅があった場所。主催した同町の向井裕明町長は「災害の教訓を語り継ぎ、安心、安全に暮らせる町をつくることを心に誓う」と述べた。

 土石流災害は午後5時40分ごろ発生。流れ下った土砂が木曽川に注ぐ手前で氾濫し、建物を押し流した。榑沼さんは自宅玄関から出たところを流され、家族3人がけがをした。建物43棟が被災し、このうち16棟が全壊した。

 参列した地元東町(あずまちょう)の原哲章区長(72)は孫が榑沼さんと友人だったとし「ショックを受けた孫の思いも込めて献花した」。式前後には榑沼さんの同級生ら学生服姿の若者も大勢、訪れた。母の真実さん(41)ら家族の姿もあった。

 梨子沢近くにあった自宅に土砂が流れ込み、柱にしがみついてこらえたという麦島清春さん(88)は、移住した町内の自宅で「もう5年。あの日を思うと胸が苦しくなる。災害のない暮らしを願う毎日だ」と話した。

(7月10日)

長野県のニュース(7月10日)