長野県のニュース

県、豚コレラワクチン散布 木曽 イノシシ感染拡大防止

掘った穴の中に経口ワクチンを入れる県職員ら=19日午前10時42分、木曽町掘った穴の中に経口ワクチンを入れる県職員ら=19日午前10時42分、木曽町
 木曽郡木曽町などで豚コレラに感染した野生イノシシが相次いで見つかっている問題で、県は19日午前、同町と同郡木祖村の山中で経口ワクチンの散布を始めた。野生イノシシへの感染拡大と、養豚業への影響を食い止める狙いで、県職員12人が4班に分かれ、両町村の山林に入った。夕方にかけて20カ所に400個を埋める。

 県園芸畜産課によると、木曽郡内に養豚場はないため、養豚場のある塩尻市や伊那谷に近い両町村を散布先に選んだ。場所は感染したイノシシが見つかった木曽町内の地点から半径10キロの「調査対象区域」を中心に、イノシシの目撃情報などを基に選んだ。

 県はこの日、町内の中央アルプス側の山林で散布作業を報道関係者に公開した。ワクチンを埋めた箇所は25日に掘り返し、イノシシが食べたかを確かめる。近くで捕獲したイノシシに抗体ができているかも調べる。県松本家畜保健衛生所(松本市)の神田章所長は「国は経口ワクチンに一定の効果があると考察しており、期待している」とした。

 経口ワクチンは、液状ワクチン入りのカプセルをトウモロコシ粉で覆った物で、イノシシが出現しやすい場所に餌の米ぬかやトウモロコシと埋めて食べさせる。抗体ができたイノシシは豚コレラに感染しない。県は、感染イノシシが見つかった下伊那郡根羽村と同村に隣接する平谷村でも22日にワクチンを散布する。

 県は当初、岐阜、愛知両県などの野生イノシシの感染を踏まえ、9月にもワクチン散布を始める考えを示していた。今月13日に県内で初めて木曽町で感染を確認し、その後も同町と根羽村で相次ぎ確認したため、散布時期を前倒しした。

 調査対象区域で県は、捕獲されたイノシシや見つけた死骸のほぼ全てで感染の有無を調べている。塩尻市、木曽郡王滝村、上松町、南木曽町と、下伊那郡阿智村、売木村のそれぞれ一部も区域に含まれている。

(7月19日)

長野県のニュース(7月19日)