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製品検査はAIにお任せ 電算が商品化へ

AIが品質を分析するシステムのパソコン画面。コメをサンプルに表示しているAIが品質を分析するシステムのパソコン画面。コメをサンプルに表示している
 電算(長野市)は、人工知能(AI)を活用した製造業向けの製品検査システムを2020年3月期中を目標に商品化する。人手不足が続き、働き方改革で長時間労働の抑制も求められる中、検査に関わる手間を省いて生産性を高めたいと考えるメーカーの増加を見込んで開発。電算は自治体向けのシステムが主力だが、今後の成長を見据えて産業分野の事業拡大を図る。

 電算が独自開発したAIのプログラムに良品と不良品の画像を覚え込ませ、判別できるようにする。画像は顧客から提供を受けたり、電算の社員が工場で撮影したりして入手。明るさを変えるなど加工したデータを含め、製品に応じて1500〜1万数千パターンをAIに学習させる。良品と不良品を見分けられるようになった検査システムを顧客のパソコンに導入。検査ラインの撮影画像をAIが分析し、不良品を検出する。

 自動車などの部品は全数検査を求められることもあり、工場では従業員が目視で確認したり、既存の画像検査システムを使ったりしている。既存のシステムは、検査する箇所や、不良品と判断する基準を人が細かく設定する必要があり、少量多品種を手掛ける工場では事前設定に手間がかかる。電算技術開発部は「AIの活用で従業員の負担を大幅に削減できる」とする。

 検査システム導入後、電算のデータセンターや顧客のサーバーに検査時の画像データを集積し、AIに再学習させることもできる。良品を不良品と判断したケースなど間違いを正して覚えさせれば、判別の精度がさらに高まる。

 6月から県内の複数のメーカーで実証実験を始めており、判別の精度や作業効率化の効果を確かめた上で商品化する。価格は未定。電算は「県内メーカーから依頼があれば、すぐに訪ねてシステムを作り、提供後もしっかりフォローする。地元密着を武器にして、県内を中心に販路を開拓したい」としている。

 電算の19年3月期の連結売上高は140億円余で、うち自治体向けシステムを中心とする公共分野が98億円余を占める。自治体向けの需要は安定しているが、さらなる成長のためには産業分野の事業強化が欠かせないと判断した。先端技術を活用した生産効率化に商機があるとみて、昨春から開発を進めてきた。

 電算は「成長が見込める市場に製品をいち早く投入し、産業分野の業績を伸ばしていきたい」としている。

(8月10日)

長野県のニュース(8月10日)