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斜面

黒い姿で街中を飛び回り、ガーガーとうるさい。時にはごみ箱を荒らして農作物も食べてしまう―。カラスには街の厄介者というイメージがつきまとう。電線などに群れをなし、路面に大量のふんをする問題も起きている

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カラス科には、尾羽が長く街で普通に見かけるオナガなど、個性的な仲間が多い。その最たるものは高い山に行くと出合えるホシガラスだろう。ベレー帽をかぶったような黒い頭で黒い瞳。全身には黒茶色の羽に白い斑点が広がる。まるで星空のように見えることが名前の由来だ

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カラスは頭がいいことでも知られるが、ホシガラスは森の再生にも大きな役割を担っている。主食は針葉樹の種やブナなどの実。秋になると食べ物が乏しくなる冬に備え種子を土中に貯蔵する。忘れられた種は芽を出して木に育ち、実は子孫の餌になる

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「富士山の森を守るホシガラスの会」は富士山の森を学びながら、未来の子どもたちに残していく活動をしている。会の解説によると、ホシガラスは山が崩れた所に多くの種を埋める習性があり「木の実のやりとりを通し森をつくり守っている」。数百年かける自然のバランスだ

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きょうは制定されてから4回目となる「山の日」。県内の森林でもウオークラリーのほか、森の地形や植生などについて学ぶイベントが数多く開かれる。せわしくなくて蒸し暑い平地をしばし忘れて、動物たちと植物が織りなす森の世界で、悠久の時間に思いをはせてみたい。

(8月11日)

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