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鹿肉を大手外食に販売へ 骨付き部位集め富士見で加工

加工のため県外の認証施設から信州富士見高原ファームに届いた鹿の骨付き肉加工のため県外の認証施設から信州富士見高原ファームに届いた鹿の骨付き肉
 日本ジビエ振興協会(茅野市)が、食肉処理加工施設の信州富士見高原ファーム(諏訪郡富士見町)との連携により、全国の処理施設から出た鹿の骨付き肉を同ファームに集めて加工し、大手外食チェーンに販売する計画を進めていることが11日、分かった。骨付近の肉は一定の分量があるものの、骨を取り除く手間がかかり、廃棄するかペットフードに加工しているのが現状。同ファームに集約することで、まとまった量を低価格で販売することが可能になり、大手への流通ルート確保で鹿肉の消費に弾みがつくと見込む。賛同する外食チェーンによる鹿肉料理のメニュー化は今秋を予定している。

 振興協会の藤木徳彦代表理事(47)によると、鳥取、大分、宮崎、徳島各県にあり、農林水産省の「国産ジビエ認証施設」に登録された計4処理施設から、同ファームが前脚の骨付き肉を買い取る。骨を取り除き、大手外食チェーンに販売。ハンバーグなどにして全国千店舗以上で提供する構想だ。

 鹿肉にはももやロース、すね、肩などの部位がある。だが料理店で扱われるのはステーキなどで提供できるももやロースといった塊肉が大半で、1頭から10キロ余りしか取れない。重量ベースで2割ほどの前脚の骨付き肉など、残りの部位はほとんど商品価値がない現状にあるという。

 大手外食チェーンに出荷するには衛生管理が徹底された肉を低価格で安定的に供給する必要があり、ハードルが高かった。このため、国産ジビエ認証施設に限って仕入れる仕組みを整えた。

 大手外食チェーン側には、外食業界最大規模の団体、日本フードサービス協会(東京)を通じて協力を打診。同協会が「鹿肉は牛肉、豚肉、鶏肉に続く第4の肉になり得る。大きなチャレンジ」(事務局)と加盟企業に働き掛けた。

 藤木代表理事によると、計画に賛同して鹿肉を使ったメニューを検討中の企業は現時点で、ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を運営する「ロイヤルホールディングス」やハンバーガーチェーンの「ロッテリア」、JR東日本グループの外食事業を受け持つ「ジェイアール東日本フードビジネス」など。ハンバーグやハンバーガーといったメニューを用意する予定だ。

 藤木代表理事は、いずれは全国各地に信州富士見高原ファームと同様の役割を担う拠点施設を置き、鹿肉の「地産地消」につなげる展望を描く。同ファーム責任者の戸井口裕貴さん(38)は「鹿肉が消費者の選択肢として定着してほしい」と普及の起爆剤になることを期待している。

(8月12日)

長野県のニュース(8月12日)