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大日向へ変わらぬ思い 上皇ご夫妻、軽井沢の開拓地訪問

大日向開拓地のレタス畑を散策される上皇ご夫妻=23日午前10時50分、軽井沢町大日向開拓地のレタス畑を散策される上皇ご夫妻=23日午前10時50分、軽井沢町
 北佐久郡軽井沢町で静養中の上皇ご夫妻は23日午前、旧満州(中国東北部)から引き揚げてきた人たちが戦後入植した同町の大日向開拓地を訪れ、レタスなどの畑を散策された。平和や開拓の歴史に思いを寄せ、これまでもたびたび訪れてきた思い入れの強い場所。ご夫妻は浅間山や周囲の草木を眺めながら約20分間、ゆっくりと歩いた。

 この日は朝から一帯が濃い霧に包まれたが、散策の直前に霧が晴れ、青空に浅間山の姿が浮かんだ。ご夫妻は2度足を止めて7日に小規模噴火した浅間山を見上げ、状況を気にしている様子だった。

 サニーレタス畑で作業していた土屋正人さん(84)=北佐久郡御代田町=は、上皇ご夫妻と雨が多い今年の栽培の苦労について会話し、上皇さまから「大変ですね」と声を掛けられた。美智子さまは「サニーレタスはよく食卓に出ます。サラダにようございますね」と話していた。土屋さんは「お心遣いがとてもありがたかった。退位後も軽井沢にきてくださってうれしい」と話していた。

 側近によると、上皇ご夫妻は開拓地の一角にある昭和天皇の歌が刻まれた記念碑にも立ち寄った。碑の周囲に山野草が咲いているのを喜んでいたという。

 ご夫妻は国策として戦前、戦中に進められた満蒙(まんもう)開拓に関心を寄せてきた。2015年8月には大日向公民館で元開拓団員ら8人と懇談。上皇さまは、大日向開拓地へ入植後に木を1本ずつ切り倒して開墾した当時の体験などを聞き「苦労されましたね」といたわったという。

 16年11月には下伊那郡阿智村の満蒙開拓平和記念館を訪問し、展示を見学。飯田下伊那地方の元開拓団員ら3人と懇談した。

(8月23日)

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