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「生命にしかできないことを」 須坂の信州岩波講座、生物学者・福岡さん講演

信州岩波講座で講演する福岡伸一さん=24日、須坂市メセナホール信州岩波講座で講演する福岡伸一さん=24日、須坂市メセナホール
 第21回信州岩波講座の本年度2回目の講座は24日、須坂市メセナホールで開いた。青山学院大教授で生物学者の福岡伸一さん(59)=東京都=が講演。「AIと人間」と題し、人工知能(AI)が社会に広がる中で「生命にしかできないことを忘れずに生きる」ことが必要と訴えた。

 福岡さんは専門の遺伝子研究などを基に、自ら細胞を壊すことで体内を更新するといった生命の「動的平衡」の性質は、AIにはまねできないと説明。「機械は自ら蓄積したデータを自ら壊すことはできない」とした。

 子どもの頃、図書館へ足を運び、当初の目的以外の本に触れることで興味や関心が広がったとし「学びは悩んだり道草をしたりする旅路」だと強調。AIの社会への浸透で、そうした経験が「少なくなっている」とも話した。

 参加者から、2045年にAIが人間の知能を完全に上回る―との予測について質問が出た。福岡さんは「人間の全データをデータベース化することはできても、無関係な2点をつなぐような創造性(を持つ水準)には決して達しないと思う」と答えた。約660人が聴いた。

 講座は須坂市や岩波書店、NPO法人「ふおらむ集団999」、信濃毎日新聞社などの実行委員会が主催。9月21日は東京大名誉教授で政治学者の姜尚中さんが「日本を考える私」と題して講演する。

(8月25日)

長野県のニュース(8月25日)