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飯田のリニア駅に「大屋根」 市の基本設計、周辺整備事業費90億円余

昨年10月に示されたリニア県内駅周辺整備案の立体模型。駅舎(白く長い建物)の左右手前や奥の駐車場などの一部を覆っている薄茶色の部分が大屋根(飯田市提供)昨年10月に示されたリニア県内駅周辺整備案の立体模型。駅舎(白く長い建物)の左右手前や奥の駐車場などの一部を覆っている薄茶色の部分が大屋根(飯田市提供)
 飯田市上郷飯沼のリニア中央新幹線県内駅の周辺整備(6・5ヘクタール)を巡り、市が近く発表する基本設計に、駅のシンボルとして検討してきた木製の「大屋根」設置を盛っていることが9日、関係者への取材で分かった。大屋根を含む周辺整備事業費は、現時点で90億円余とみられていることも判明した。

 駅周辺整備で、市は2017年6月、750台分の駐車場、地元住民向けの「コミュニティ広場」、特産品や伝統文化を紹介する「魅力発信施設」などを設ける基本計画を決定した。これに対し、市民から「飯田らしさが見えにくい」との声も上がり、市は大屋根設置を検討。今年3月を予定していた基本設計の発表を延期し、設置の是非や事業費などを精査していた。

 市がこれまでに示した方針では、大屋根は駅舎前や、周辺整備区域内の駐車場を結ぶ通路の上など複数箇所に設置。カラマツやスギなど多様な材木を県内全域から集め、信州の森林文化を表現する考えだ。市は仏閣などに用いられる伝統工法「木格子(きごうし)」の採用検討を明らかにしている。

 市は18年10月、有識者や地域代表による「リニア駅周辺整備デザイン会議」で大屋根のイメージ図などを公開した。委員からは賛同の意見があった一方、整備費や維持管理費の増大に対する懸念の声もあり、市側は規模などを慎重に検討していた。

 開会中の市議会定例会に提出済みの本年度一般会計補正予算案に、市は駅周辺整備の詳細な設計をするための準備費3千万円を計上している。関係者によると、大屋根は工期を分けて段階的に設置するとの案が浮上しており、総事業費はさらに膨らむ可能性もある。

(9月10日)

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