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「カネやん」の愛称で親しまれた球界のエンターテイナー、金田正一さん。国鉄(現ヤクルト)、巨人で20年投げ続け、前人未到の400勝。その後も監督や解説者としてファンを楽しませてくれた。思い出は世代によってさまざまだ

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1969年の現役引退インタビューでは、印象に残る試合に長嶋茂雄さんがデビューした開幕戦対決を挙げている。話題のルーキーを4打席4三振に打ち取ったのに「バットの振りを本当に怖いと感じ、しっかり練習しなければと思った」と振り返った

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このとき、長嶋さんもショックで眠れず、「打倒金田」を目標にしたという。守備に問題がある国鉄では三振を多く取ることが必要とされた。長身で手足が長く、怪力の持ち主。恵まれた体を長くフルに生かすため、当時としては先進的な体調管理に力を入れ、自ら食事を作った

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巨人移籍後は20勝を果たせなかった。それでも当時の子どもの記憶に残るのは、人気アニメ「巨人の星」の主人公の目標、魔球の名付け親として描かれたこと。ロッテ監督時代も鮮烈だった。選手たちに経験を伝授し、2年目で日本一を達成してみせた

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ダンス披露や派手な乱闘、審判への猛抗議…。過激すぎて出場停止処分になり、批判を浴びたことも。それも閑古鳥の鳴く試合ほどむなしいものはない、との思いからだった。ファンを沸かせた型破りな野球人生。今季、過去最多という両リーグの観客動員数が、86歳の終幕に花を添えた。

(10月8日)

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