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迫る台風 信州緊迫

デリシア庄内店で水などを買い求める女性。段ボール箱入りペットボトルは早々と売れ、商品棚は品薄だった=11日午後1時12分、松本市出川デリシア庄内店で水などを買い求める女性。段ボール箱入りペットボトルは早々と売れ、商品棚は品薄だった=11日午後1時12分、松本市出川 台風接近に備えてリンゴの収穫を急ぐ岩垂さん=11日午後3時40分、安曇野市三郷小倉台風接近に備えてリンゴの収穫を急ぐ岩垂さん=11日午後3時40分、安曇野市三郷小倉
 大型で非常に強い台風19号の接近に備え、県内では11日、市民や企業、自治体がそれぞれ対応に追われた。自宅で過ごすことを念頭にスーパーやホームセンターではパン、飲料水、カップ麺などの食料や懐中電灯などの防災関連商品を買う人が目立ち、農家はリンゴの収穫を急いだ。北佐久郡軽井沢町の商業施設「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」や小諸市の観光名所「懐古園」は12日の休業・休園を決定。南佐久郡南相木村は11日、1人暮らしの高齢者や河川に近い住民の不安に対応するため、村デイサービスセンターを「自主避難所」として開放すると決めた。

 松本市出川のデリシア庄内店の来店者は普段の金曜日の1・5倍。根菜類やパン、冷凍食品、インスタントラーメンなど日持ちがする食品が売れ、ペットボトルの2リットルの水は1人2本までに制限したという。関口光晴店長(44)は「品切れをなくすようにしたい」と忙しく動いた。

 同市渚のツルヤなぎさ店で安曇野市堀金烏川のパート、近藤裕加さん(54)は2リットルの水6本とレトルトカレーなどを購入した。台風15号で被害が出た千葉県を念頭に「必要かなと思った。家の周りに被害がなくても停電するかもしれない」。松本市蟻ケ崎の無職男性(87)は肉や魚、野菜など3日分の食料を買い込んだ。「明日は来られない。籠城する気分」

 長野市内の複数のスーパーでも11日夕、多くの買い物客が日持ちする食料品を買い込んだ。市内の男性会社員(38)は「妻に頼まれて水を買いに来たけれど売り切れていた。炭酸水かお茶を買って代わりにします」と話した。

 須坂市のホームセンター「ケーヨーデイツー須坂インター店」は出入り口前に懐中電灯や電池、毛布などを並べた。同市の女性(72)は「停電に備えたい」と懐中電灯や飲料水、簡易トイレを購入。妻と訪れた長野市の農業男性(79)は「用心するに越したことはない」とブルーシートやカセットこんろを買った。

 安曇野市三郷小倉のリンゴ畑では、農業岩垂和明さん(50)がシナノゴールドの収穫に追われた。風で実が落ちやすい品種。全て採りきれず「できるだけ台風がそれてくれることを願うしかない」。

 12日予定の催しの中止も広がった。長野市で男女40チームが出場予定だった「第13回ながの中学駅伝大会」、上田市での県高校定時制通信制生徒生活体験発表大会はともに中止。同大会は代わりに書類審査で全国大会に進む1人を決める。県立歴史館(千曲市)は本郷和人・東大教授の講演会を取りやめた。信州大(本部・松本市)は、12日の理学部AO入試を27日に延期。人文学部、全学教育機構の計三つの授業を休講とした。

 各自治体は消防団に、出動の可能性を連絡。上伊那郡辰野町は消防団員同士の連絡が取れるよう確認を指示し、同郡南箕輪村は消防団員に12日の自宅待機を求めた。

(10月12日)

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