長野県のニュース

氾濫・濁流 荒れる県内 避難所で不安な夜

佐久城山小学校に設けられた避難所で食べ物を受け取る男性=12日午後6時17分、佐久市佐久城山小学校に設けられた避難所で食べ物を受け取る男性=12日午後6時17分、佐久市
 「こんな雨めったにない」「初めての避難で不安だった」―。12日に県内に最接近した台風19号による強い雨や河川の増水を受け、佐久、上田小県、諏訪地域や千曲市などで避難所が設けられ、住民たちが自宅の状況を気に掛けつつ不安な夜を過ごした。

 佐久市が佐久城山小学校に設けた避難所は、午後6時時点で約500人が集まった。時折電気が付いたり消えたりする中、家族連れやお年寄りが不安げな表情を浮かべながら身を寄せ合った。

 同市内山の福島実(まこと)さん(82)は妻みさおさん(70)と避難。自宅窓から川の水が畑や道にあふれているのを見て決断した。「避難は初めてで不安もあったけれど、自分の命が大事だから」と話した。

 南佐久郡佐久穂町が避難所を設けた町生涯学習館「花の郷(さと)・茂来(もらい)館」にも午後7時半時点で約550人が集まった。受付には小さな子どもを抱える親やつえをついて歩く高齢者らが続々と押し寄せ、行列ができた。

 小県郡長和町が避難所を設けた古町公民館に避難した女性(75)は「裏の川がゴトゴトと聞いたこともないような音がしたので避難を決めた」。上田市川西公民館に設置された避難所には午後5時半時点で22人が身を寄せた。同市小泉の会社員関広喜さん(63)は妻(54)、長女(28)と避難。自宅裏は山で近くには沢があり「山が崩れたら逃げられない。スマートフォンで情報収集した娘にせかされて避難を決めた」。

 千曲市杭瀬下の「ことぶきアリーナ千曲」にも多くの住民たちが避難。同市新田の竹村英雄さん(79)は「年寄りになって、こんな災害が来るとは…」とこぼした。

 諏訪市内では午後7時時点で豊田小、湖南小、諏訪南中に設けた避難所に計900人ほどが避難した。諏訪南中に避難した四賀赤沼の男性(75)は102歳の母親、5歳の孫を含む家族5人で避難。「35年近く赤沼に住んでいるが避難は始めて。自宅が上川に近いので、氾濫するかもしれないと思うと不安だ」と話した。茅野市、岡谷市、諏訪郡富士見町でも避難所に避難した住民がいた。

 伊那市は高遠町総合福祉センター「やますそ」などに避難所を開設。12日午後8時半時点で12世帯29人が避難し、毛布にくるまって横になるなどして過ごしていた。

(10月13日)

長野県のニュース(10月13日)