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自然の猛威、無念 佐久1人死亡、佐久・東御4人不明

中島さんの遺体が見つかった現場近くの住宅地。濁流に流された車や草木の片付けに住民が追われた=13日午前10時20分、佐久市中込中島さんの遺体が見つかった現場近くの住宅地。濁流に流された車や草木の片付けに住民が追われた=13日午前10時20分、佐久市中込
 千曲川を氾濫させた台風19号通過から一夜明けた13日、佐久市中込で近くの中島正人さん(81)が遺体で見つかった。同市臼田、東御市でも計4人が行方不明。濁流に流される人を目の当たりにした救助関係者らは、自然の猛威に無念をかみしめた。

 中島さんの遺体が見つかった佐久市中込の現場は、千曲川支流の滑津(なめづ)川の水が引き始めても車数台が横倒しのまま。佐久広域連合消防本部によると、中島さんは道路の冠水で立ち往生し、車外に出たところで流されたとみられる。

 同市臼田入沢区では12日夕から60代男性が行方不明で、13日は消防や警察が千曲川支流の谷川(やがわ)沿いを捜索。道は所々陥没し、護岸がえぐれてマンホールや水道管がむき出しに。12日午後5時ごろには水位が橋の直下10センチほどに達していたといい、地元の女性は「いつもはシラサギが飛ぶのどかな川。水位が上がりすごく怖かった」と振り返った。

 車が転落して3人が行方不明になっている東御市田中の千曲川。上田広域消防本部などは長野市南部付近まで範囲を広げて捜索した。東御消防署の武舎徳夫署長らによると、12日午後6時45分に119番通報を受け、午後7時前に現場の田中橋に到着。片側車線が大きくえぐれ、陥没した5、6メートル下に軽乗用車2台が落ち、その上に横転した白い乗用車が重なっていた。

 軽乗用車の20歳の男女、男性1人は自力脱出したが、横転した乗用車内に男性1人が見えた。乗車人数を確認する救助隊員の呼び掛けに、男性は指を3本立てたという。だが増水で足場が崩れ、クレーンで隊員をつり下げて救助を試みているさなか、車が濁流にのみ込まれたという。武舎さんは、隊員も危険にさらされた困難な救助だったとし、「大変悔しい思いだ」と心の内を吐露した。

(10月14日)

長野県のニュース(10月14日)