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県内企業、復旧作業が難航 終末処理場停止 排水自粛足かせ

水没した備品などを搬出するカイシン工業の社員ら=16日、長野市豊野町水没した備品などを搬出するカイシン工業の社員ら=16日、長野市豊野町 浸水したホクトの赤沼きのこセンター。社員が泥にまみれた容器の撤去作業に追われていた=16日、長野市赤沼浸水したホクトの赤沼きのこセンター。社員が泥にまみれた容器の撤去作業に追われていた=16日、長野市赤沼
 台風19号によるインフラの被災が、県内企業の復旧を阻んでいる。千曲川が決壊した長野市穂保の堤防付近は16日も広い範囲で停電が継続し、復旧作業が難航。同市赤沼の終末処理場「クリーンピア千曲」の浸水による機能停止を受けた排水自粛要請が足かせとなり、操業を見合わせているメーカーもある。

 精密板金加工のカイシン工業(長野市)は、穂保や同市豊野町の工場が浸水した。一帯は停電が続き、16日に豊野町の工場で備品の搬出や清掃に当たっていた従業員は「電気が使えず、洗浄機も利用できない」と嘆く。復旧を急ぎたくても、日が暮れると作業を切り上げざるを得ない。

 浸水被害を受けたホクト(同)のエリンギ生産拠点「赤沼きのこセンター」では同日、社員らが散乱した容器や段ボールを片付けた。停電のため容器に培地を詰める機械の動作確認ができず、小松茂樹専務は「操業再開のめどは全く立たない」とする。

 一方、建物の1階部分が水没した特殊樹脂開発・製造のニッキフロン(同)は、取引先などから複数の発電機を調達し、15日夕から2階事務所で電気を使えるようにした。春日孝之社長は「通信が安定した固定電話、ファクスが使え、スマートフォンの充電もできる。復旧の準備が格段にはかどる」と話した。

 中部電力によると、長野市豊野町の豊野変電所などが浸水したため、豊野町や穂保で停電が長期化。同社担当者は「18日の復旧を目指して作業を進めている」とする。

 断熱材など製造のニチアスセラテック(上水内郡飯綱町)の長野市豊野町の工場は浸水を免れたが、操業できない。耐火性の高い断熱ボードは水を使って繊維を固める必要があるが、クリーンピア千曲の機能が停止し、市から下水道への排水自粛を要請されたからだ。同社管理部は「当面は下水処理機能の回復を待たざるを得ない」とする。

 キョウデン(上伊那郡箕輪町)の東北事業所(福島県いわき市)は工業団地の送水ポンプが冠水で故障し、工業用水が供給停止になったため、プリント配線板の生産量が低下。竹内製作所(埴科郡坂城町)は、長野市内の部品調達先の企業数社が浸水被害を受けており、生産に影響が出る見込みとしている。

 千曲川に近いためなかなか水が引かず、被害の確認に着手したばかりの企業も。長野市豊野町の本社工場が浸水した油圧制御機器製造の仁科工業(長野市)は「調査に乗り出したばかりで、まだ全容はつかめない」とした。

(10月17日)

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