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高校に行けない しなの鉄道の上田―田中 復旧めど立たず

上田―田中間の運転休止を知らせる張り紙=16日午後7時37分、東御市のしなの鉄道田中駅上田―田中間の運転休止を知らせる張り紙=16日午後7時37分、東御市のしなの鉄道田中駅
 台風19号により、東御市の市道の海野宿橋の土台が損傷したことで、しなの鉄道(上田市)の上田(同)―田中(東御市)駅間で運休が続き、通勤や通学の足に深刻な影響が出ている。同社によると、この区間の利用者は1日約4500人。県教委によると、約千人の生徒が利用する。復旧のめどは立たず、代行バス運行も難しいため、通学が困難な高校生が出ている。

 海野宿橋は、大屋(上田市)―田中駅間の線路をまたいでいる。千曲川の増水で土台が損傷したことで、線路上に崩落する可能性が出ている。しなの鉄道は「少しでも危険性があれば、鉄道事業者として運行はできない」とする。同社経営企画課はバスの代行運行を模索するが、通勤通学のピーク時はバス50台ほどが必要と試算。これだけの台数は確保できず、「代行輸送はしたいが、上田駅と田中駅に数十台ものバスを回せるか分からない」とする。

 「私たちは共働きで朝早く出勤するため送迎できず、長女が学校へ行けない」。東御市内の会社員男性(52)は、信濃毎日新聞に困惑の声を寄せた。上田東高校3年の長女(17)は普段、田中駅から上田駅までしなの鉄道を利用して通学。路線バスでは、始発に乗っても学校に着くのは午前9時を過ぎてしまう。

 高校が再開した16日、長女は欠席。17日は学校が始業を9時半に遅らせるため、路線バスで向かう予定だ。男性は「受験などの大事な時期。同じ区間を利用する娘の友人と一緒にアパートを借りる話も出ている」と話す。

 上田高校は17日、授業を再開する。全校生徒約千人の3割ほどが上田―田中駅区間を利用。ほとんどは保護者の送迎や新幹線などを利用し登校する予定という。運休の影響で登校できない場合は公欠扱いに。公欠が続く生徒には学習支援を検討するが、「運休が長期化すると厳しい」という。

 千曲川護岸の復旧工事を進めている県上田建設事務所によると、海野宿橋の土台の復旧の見通しは立っていない。

 東御市内に勤務する団体職員の男性(37)=長野市=は普段、篠ノ井駅(長野市)から田中駅まで利用。週明けからは自分で車を運転し、高速道で通勤し、「経済的な負担が大きい」と嘆いた。

(10月17日)

長野県のニュース(10月17日)