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国道361号権兵衛トンネル不通 通勤や救急搬送影響も

 上伊那郡南箕輪村の国道361号権兵衛トンネル入り口付近で20日に見つかった土砂崩落による通行止めは、上伊那、木曽両地方の通勤、通院、観光などに影響が出始めている。県伊那建設事務所(伊那市)は21日、土砂崩れによる橋台付近の浸食がさらに進んでいることを確認。詳しい原因調査が進まず、通行止め解除のめども立っていない。

 木曽地方から救急、外来患者を受け入れる伊那中央病院(同)によると、今年4〜9月に木曽広域消防本部(木曽郡木曽町)から患者の搬送が31件あった。谷口利則消防次長は「通行止めで搬送先が事実上1カ所減った。せめて片側交互通行にならないか」。同病院は木曽地方からの外来患者について「薬がなくなりそう、診察予約をしたが行けない、といった相談が増えるのではないか」とする。

 通勤や買い物で木曽地方から伊那市へ向かう人も心配する。木曽町新開のコンビニエンスストア店長竹原葉子さん(53)は週1度、市内の大型店で食材や日用品を買う。木曽郡内にも店はあるが「手に入らない物もある」。家族で食事をすることもあり「伊那に行くのは楽しみ」と話す。

 同郡木祖村の渡辺大介さん(26)は長野銀行伊那支店(伊那市)まで車で片道約35分かけて通っていた。21日は国道19号で塩尻市に北上、中央道で南下して計1時間20分ほど。「木曽町、上松町などより南部の人はもっとかかる。影響は大きい」とし、一時的に寮に入ることを検討する。

 木曽町中学校の平原稔久教諭(45)は21日、1時間早く伊那市西箕輪の家を出た。遅くまで仕事をする日もあり「毎日は通えない。木曽に住宅を借りなければならなくなるのではないか」と語った。

 紅葉シーズンが近い中、伊那市西箕輪で和菓子店を営む樋代敏彦さん(61)は「権兵衛トンネルを通って木曽や松本、県外からも来てくれていた。いつ解除されるのか」と気をもむ。木曽おんたけ観光局(木曽町)によると権兵衛トンネルは渋滞が発生せず「時間が読めるルート」。須藤邦男事業部長は「個人、団体ともに木曽谷への流入が減る可能性がある」と懸念した。

(10月22日)

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