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災害ごみの処理 連携へさらに力尽くして

 台風19号で被災した家屋から出る家財道具など大量の「災害ごみ」処理が、広域連携で動き出している。

 今後、被災家屋の解体が進むと、ごみの量は増える。連携が効果を上げるよう、国や県は、調整役に一層力を尽くしてほしい。

 千曲川の堤防決壊で広範囲に浸水した長野市は、現在も市内3カ所に仮置き場を設定し、災害ごみを集めている。

 可燃ごみを焼却する長野広域連合の「ながの環境エネルギーセンター」は、処理能力を超えるとして仮置き場からの受け入れを休止した。県を通じた支援要請に、富山県の民間2社が応じ、災害ごみの搬出を本格化させている。

 三重県の1社も受け入れる方向。同様の要請をしている千曲市についても、三重県の1社と愛知県の業界団体1団体の受け入れが決まる見通しという。この動きを、さらに加速させたい。

 長野市の被災地では、市の仮置き場まで距離があるため、身近な場所に一時的にごみを集める仮置き場が独自に設けられた。ごみがどんどん運び込まれ、生活圏内にいくつものごみの山ができる状況が起きた。

 打開のため、市東北部では、国やボランティアも連携する独自の取り組みが始まっている。

 地域のあちこちに集められたごみを、市民やボランティアが協力して日中に2カ所に集約し、夜間に自衛隊が市の仮置き場に搬出する。清掃業者や広域的な処理の調整は環境省が担う。

 環境省と防衛省が、災害ごみで協力するのは、熊本地震、西日本豪雨に続き3度目という。処理に悩む他の被災地にも広めたい。

 見過ごせない問題もある。千曲川沿いに流れ着いた「漂着ごみ」をどうするかだ。

 長野市の農地には、大量の泥とともに漂着した車やドラム缶、工具、家財道具が目立つ。所有者が分からず、危険物が含まれる恐れもあり、農家は手が出せない状況だ。市は、畑の隅に寄せて置くよう求めるにとどめている。

 河川敷に残された大量のペットボトルも気になる。このまま放置されると、劣化が進み、海に流れ出し、深刻化する海洋プラスチックごみを増やしかねない。

 小布施町では、県内外の消防職員らがボランティアで河川敷の果樹園に流れ着いたごみの収集を始めている。漂着ごみは排出元が不明な場合が多い。流域全体で解決する問題として捉え、市町村を超えた連携にもつなげたい。

(11月7日)

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