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新生児聴覚検査の公費補助、県内で広がり

 先天性難聴の早期発見、治療につなげるため、生後間もない赤ちゃんに行う新生児聴覚検査について、受検費用の一部や全額を補助する市町村が県内で増えている。県が把握する範囲では、2年前は6市町村だったが、昨年度末までに20市町村になった。早く見つけて治療・療育をすれば言語発達への支障が減るといい、専門家は公費補助のさらなる拡大を期待している。

 日本産婦人科医会によると、先天性難聴の赤ちゃんは約千人に1人の割合とされる。新生児聴覚検査は産後の入院中、眠っている赤ちゃんにささやき声程度の音をイヤホンで聞かせ、脳波の変化を見る方法が一般的。任意の検査のため、保護者は平均約5千円の負担が必要だ。

 県保健・疾病対策課によると、県内で生まれた赤ちゃんの99%が検査を受けているが、2017年度は200人が受けなかった。複数の市町村によると、里帰り出産や外国人の出産の場合に受けないケースが多かった。ただ、「検査の希望を聞かれたが、よく分からず受けなかった」という親もいたという。

 検査費用の負担が、どれだけ検査を受けない理由になっているかは分かっていない。ただ、公費補助を始めた県内市町村は「子育て支援」(飯山市)、「検査の啓発」(木曽郡木祖村)などを目的に挙げている。

 県産婦人科医会会長で、県厚生連南長野医療センター篠ノ井総合病院(長野市)名誉院長の木村薫さんによると、同病院で18年度に生まれた686人のうち、親が検査を希望しなかったのは7人。経済的な理由を挙げた人もいた。

 木村さんは、新生児聴覚検査について「治る障害を治すための重要な検査」と指摘。「誰もが受けやすい公費補助の方法として、妊婦健診のように受診券を配る方法が望ましい」と話している。

(11月8日)

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