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霜月祭り2神社実質中止 飯田「遠山郷」 氏子の高齢化進み

正一位稲荷神社で2年ごとに行われてきた霜月祭りの「湯立て神楽」。今年から事実上中止する=2017年12月1日、飯田市正一位稲荷神社で2年ごとに行われてきた霜月祭りの「湯立て神楽」。今年から事実上中止する=2017年12月1日、飯田市
 「遠山郷」と呼ばれる飯田市南信濃・上村地域で毎年12月に開かれる「遠山の霜月祭り」(国重要無形民俗文化財)で、これまで神事を続けてきた10神社のうち2神社が神事の簡素化を決めたことが12日、関係者への取材で分かった。祭りを象徴する「湯立て神楽」をやめ、お神酒を供えることなどにとどめるといい事実上の中止。背景には祭りを支えてきた氏子の高齢化がある。神事をする神社が減るのは2010年に2神社が中止、休止して以来。

 中止となるのは南信濃木沢の八日市場地区にある日月(にちげつ)神社と、隣接する中立(なかだち)地区の正一位(しょういちい)稲荷神社。例年、12月1日に2神社が交代で開く神事が祭りのスタートとなっており、今年は稲荷神社の番だった。2神社の中止で、今年は同7日の上村中郷(なかごう)の正(しょう)八幡宮、南信濃小道木(こどうき)の熊野神社が祭りの皮切りとなる。

 日月神社と正一位稲荷神社の神事は、八日市場自治会が取り仕切ってきた。市によると、自治会は11世帯で人口25人。熊谷忠浩自治会長は「地区内の住民が高齢化し、もう神事を続けることができない」としている。氏子らによると食事の用意、しめ縄作りなどの事前準備も負担。自治会では数年前から中止について議論されてきたが、継続を望む声もあった。長年祭りに関わってきた70代男性は「神様に申し訳ない」とこぼす。

 市によると、かつては17神社が神事をしていた。遠山郷は人口減少と高齢化が進み、人口と高齢化率(65歳以上の割合)は南信濃が1331人で59・1%、上村が398人で53・5%。地元住民だけでは人手が足りず「助っ人」を募って祭りを続ける神社もある。上村上町の正八幡宮もその一つで、上町自治会長の古瀬毅さん(69)は「外の人に頼ることには賛否があるが、助けがなければ続けるのは難しい」と言う。

 14年には、遠山郷の在住者や出身者の若手が祭りの伝統を受け継ごうと「木沢霜月祭り野郎会」を結成。現在は34人が祭りの準備などを手伝っている。副会長の平沢一也さん(36)=南信濃木沢=は2神社での中止について「祭り好きの人間として残念」。最近は地元の中学生に祭りを見てもらう機会も設けているといい「担い手を増やす努力を続けたい」としている。

 遠山郷観光協会によると今年は12月7〜15日に、上村の4神社と南信濃の4神社で神事がある。

(11月13日)

長野県のニュース(11月13日)