長野県のニュース

桜を見る会 首相の公金私物化なのか

 指摘が事実ならば首相による公金私物化であり、看過できない。

 首相が主催し、毎年4月に国費で開く「桜を見る会」である。参院予算委員会で、安倍晋三首相の後援会員が、正当な理由がないのに多数招待された疑惑があると指摘された。

 都内で開く内閣の公的行事で、文化・芸能、スポーツ、政界など各界で功績があった人を招き、慰労する。招待者は、内閣官房と内閣府が定める開催要領に基づいて選ばれる。

 参加者は年々増えている。2014年に約1万3700人だったのが、今年は約1万8200人になった。20年度予算の概算要求額は、財政事情が厳しいのに19年度予算の約3倍の約5700万円に急増している。

 予算委では共産党の田村智子氏が、首相の後援会関係者や地元山口県の県議のブログなどを引用し、首相の後援会関係者が多数参加しているのでは、と質問した。

 さらに前日に都内で「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」を開き、首相も出席していると指摘。地元ライオンズクラブの会報には今年の参加者は850人と記載されているとし、説明を求めた。

 安倍首相は「招待者は回答を差し控えている」とした上で、「地元で自治会やPTAで役員をされている方もおり、後援会の方と重複することもある」と話した。

 首相の地元事務所が参加者を募ったとの証言も示された。見る会では飲食も無償提供されている。野党が「税金を使った買収」と批判するのも当然だ。

 指摘が正しければ、山口県からの参加者が突出して多い可能性がある。事実関係や参加者選出の経緯を詳細に検証して、明らかにしなければならない。

 それなのに内閣府の大塚幸寛官房長は国会で、招待客名簿を廃棄したとし、「今は調べることはできない」と主張した。地元の関係者らは、問題となったブログの記載などを削除したことも分かっている。このまま疑念をうやむやにするつもりなのか。

 自民党の二階俊博幹事長の認識も問われる。後援会員を招待する是非について、「議員が選挙区の皆さんに配慮するのは当然」と述べた。公金を特定議員の選挙活動に使う重大性を理解しておらず、首相の疑惑を正当化している。

 萩生田光一文部科学相も後援会会員を招待した疑惑を指摘されている。恒常的に行われている疑念が拭えない。政府と自民党の説明責任が問われている。

(11月13日)

最近の社説