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国交省「氾濫発生」速報メール 上田・千曲の2ヵ所で未配信

 台風19号による千曲川の氾濫に関する緊急速報メールが流域の一部で配信されなかった問題で、国土交通省北陸地方整備局は15日の信濃毎日新聞の取材に、国管理区間(上田市―飯山市)の12カ所で起きた氾濫のうち、上田市と千曲市の2カ所で「河川氾濫発生」(警戒レベル5相当)の情報を送信していなかったと明らかにした。千曲川流域で、堤防上を越えて水があふれる「越水」が相次ぎ、作業が重なったためとしている。

 12カ所では10月12〜13日にいずれも越水が発生。このうち長野市穂保の左岸では堤防決壊に至った。同整備局によると、氾濫発生のメールが配信できなかったのは上田市国分、千曲市雨宮のともに右岸側。この2カ所では氾濫危険水位に達した段階で「河川氾濫のおそれ」(警戒レベル4相当)とするメールは配信した。だがその後、氾濫発生のメールを流していなかった。

 携帯電話会社を通じてスマートフォンなどに送る緊急速報メールは、避難勧告の発令判断の目安となる「氾濫危険情報」や、実際に越水や決壊が起きたことを知らせる「氾濫発生情報」の発表を契機に配信する。千曲川流域の配信対象は県内9市町村。同整備局は千曲川の国管理区間を3エリアに大別し、該当エリアの近辺の市町村にいる人に一斉送信する。

 一方、長野市穂保では13日午前1時10分すぎ、越水を確認したのに合わせ「河川の水が堤防を越えて流れ出ています」との内容で氾濫発生を配信した。氾濫発生を伝える同省の文例としては堤防決壊時を想定した「堤防が壊れ、河川の水が大量に溢(あふ)れ出しています」もあるが、これは流していない。同整備局は越水後に決壊した場合、越水と決壊の両方を配信する仕組みにはなっていないとしつつ「決壊は重要な情報。今後の課題と認識している」としている。

 国は緊急速報メールのほか、自治体や報道機関に洪水情報を伝えている。自治体が防災行政無線や緊急速報メールで住民に伝えているケースもある。

 緊急速報メールは茨城県で鬼怒川が決壊した2015年の関東・東北豪雨を踏まえて国が導入。千曲川の国管理区間では17年5月に配信が始まった。長野県河川課によると上田市大屋橋より上流の県管理区間の2カ所でも越水したが、県は緊急速報メールを配信していない。県は市町村に情報を伝えているが、直接メールで発信することは義務付けられていないとしている。

(11月16日)

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