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長野市教委が文化財など被災まとめ 計14ヵ所 松代に被害多く

1メートル以上の浸水被害を受けた長明寺の本堂(右)や経蔵(左)。片付いてきたものの、一部に泥が残っている=18日午後2時、長野市松代町1メートル以上の浸水被害を受けた長明寺の本堂(右)や経蔵(左)。片付いてきたものの、一部に泥が残っている=18日午後2時、長野市松代町
 台風19号の浸水や強風で被災した長野市内の国や県、市の登録・指定文化財が計14カ所に上ることが、18日までの市教育委員会のまとめで分かった。このうち松代城跡や複数の寺院など10カ所が市南部の松代地区に集中。修繕費用などの補助は文化財ごとに異なり、所有者も地区や民間などと違うため、復旧にばらつきが出そうだ。

 松代地区では登録文化財5件、重要文化財2件、国史跡2件、市指定有形文化財1件が被災。修繕は重要文化財や指定文化財は工事費用まで一部を補助する国の制度があるが、登録文化財は修繕工事の設計や監理までしか補助されない。

 松代地区の長明寺は本堂、経蔵が床上浸水し、三門も水に漬かった。いずれも登録文化財。小林昭夫総代長(88)は「補助金制度を踏まえ、工事の方法や時期について総代会で話し合いたい」とする。梅翁院も登録文化財で、松代藩真田家初代藩主信之の側室の弔い寺。本堂が70センチほど床下浸水したため、増田正明住職(62)は「シロアリが発生する元になるので消毒したいが、畳を取って床をはぐというのはやりきれない」。

 地元の荒神町区所有の荒神堂は、床下浸水で階段部分が一部流れた。隣の公民館も床上浸水し、修理が必要。宮沢徳治区長(68)は「(階段を)前と同様に直せないかもしれない」と戸惑う。

 国史跡の松代城跡は、本丸裏側に復元した北不明門(きたあかずのもん)が50センチほど冠水。太鼓門前橋なども一部浸水した。水は2日ほどで引き、建造物に大きな被害はないというが、橋は年度内に予定した経年劣化調査の中で詳細を調べる。

 松代地区以外では、国選定の戸隠重要伝統的建造物群保存地区内の土蔵の一部がはがれた他、県宝のダニエル・ノルマン邸(芋井地区)、いずれも市指定記念物の吉田のイチョウ(吉田地区)、清水寺(若穂地区)で被害があった。

 市教委文化財課は他の支援制度の活用について国や県と協議中。「個々の所有者の相談に乗りながら対応していきたい」としている。

(11月19日)

長野県のニュース(11月19日)