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桜を見る会 まるで人ごとの首相答弁

 自ら説明を尽くして疑いを晴らす気は毛頭ないようだ。

 安倍晋三首相がきのうの参院本会議で「桜を見る会」の疑惑に関わる与野党議員の質疑に応じた。

 菅義偉官房長官らによる従来の釈明をなぞっただけで、税金の私物化、公職選挙法違反、政治資金規正法違反といった数々の疑念は疑念のまま残された。

 臨時国会の会期は9日に迫っている。このまま幕引きにしていいはずがない。

 質疑は主に(1)共産党が招待者名簿を資料要求した直後に内閣府が廃棄(2)首相の後援会関係者800人余が都内のホテルで開いた「前夜祭」に通常の半額以下の会費5千円で参加(3)マルチ商法を展開した「ジャパンライフ」の元会長が招待された―点に絞られた。

 名簿廃棄について首相は、前もって大型シュレッダーを予約した日に実施しており、野党の照会とは無関係だと強弁。電子データの保存期間を既に過ぎていて名簿は復元できないとした。

 前夜祭の釈明はこれまでと同じだ。首相の事務所や後援会に収支が発生していれば記載漏れの規正法違反、会費を補てんしたなら公選法に抵触する恐れが強い。首相は支出は生じていないと言い、ホテル側から明細書を受け取っていないと主張した。

 ジャパンライフの元会長が「総理大臣からの招待状」を会社の宣伝に使ったとの指摘に対し、首相は「一対一の形で会ったことはない」と個人的なつながりを否定した。「一般論として、不当な活動に利用されることは決して容認できない」とも述べている。

 全体に人ごとのような答弁の印象を拭えない。名簿の復元を試みる、ホテルから明細書を取り寄せるという約束もしない。桜を見る会への招待者の数が増大し、費用が5千万円超まで膨らんできたことに「関与も承知もしてこなかった」と語る。

 その上で「予算や招待基準など全般的な見直しを図る」との論法を用いている。今後は気を付けるから過去のことは水に流そうと言わんばかりだ。

 招待者名簿を無造作に廃棄したことは見過ごせない。国民が政治を検証する上で欠かせない公文書のずさんな扱いは、自衛隊の日報問題、森友・加計学園問題でも繰り返されてきた。

 野党が求める予算委員会での集中審議開催に、与党は応じるべきだ。安倍首相の姿勢を徹底してたださなくてはならない。

(12月3日)

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