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松本のサ高住、施設ぐるみで入所者虐待 過度な身体拘束 元職員証言

松本市内のサ高住で元職員が今年撮影した、身体拘束されていた入所者松本市内のサ高住で元職員が今年撮影した、身体拘束されていた入所者
 松本市内にあるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)で、過度な身体拘束など、施設ぐるみで入所者への虐待が行われていたことが20日、信濃毎日新聞の県への情報公開請求や複数の元職員らの証言で分かった。市は高齢者虐待防止法に基づいて立ち入り調査し、改善を図るよう指導した。

 県が公開した「高齢者虐待状況報告書受理簿」などによると、市はこの施設の入所者7人について「不適切な身体拘束」が行われたとして施設に文書で虐待の事実を指摘し、改善するよう指導し、虐待は「事業所全体で実施されたものと推測される」とした。10月17日付で「虐待が認められた」と、県に報告した。

 この施設は有料老人ホームの要件を満たしており、老人福祉法に基づき、身体拘束は原則禁止されている。高齢者虐待防止法に基づく国のマニュアルは、入所者の命や体が危険にさらされるようなやむを得ない場合以外の身体拘束を「身体的虐待」としている。

 元職員らによると、この施設では腰と四肢をベルトでベッドに縛り付け、両手に手指の動きを制限するミトン型手袋を着けさせていたケースもあった。柵や壁で四方を囲んだ「4点柵」のベッドに寝かされる入所者もいた。施設を経営する会社の代表の指示などで行い、拘束方法や状況は記録していなかった。

 関係者によると、市は施設内での虐待を指摘する通報を受け、8月に抜き打ちで立ち入り調査。4点柵のベッドを使ったり、腰をベッドに縛り付けたり、手に手袋を着けたりするなどの身体拘束を確認したという。

 市高齢福祉課は「個別の案件については答えられない」としつつ「高齢者虐待は社会的に許されるものではない。そのような事案があれば適切に対応している」とした。

 会社の代表は市による8月の立ち入り調査前、取材に対し「身体拘束をやっていても24時間ではない。記録もきちんと取っていて法律通りにやっている。家族の同意書も取っている」と説明。信濃毎日新聞はその後も電話や書面で複数回取材を申し込んできたが、20日までに回答はない。

(12月21日)

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