長野県のニュース

山車作りに次代の力 長和できょうから「おたや祭り」

山車に載せる牛の像に綿を貼り付けていく小池さん(左)と翠川さん(右)=10日、長和町山車に載せる牛の像に綿を貼り付けていく小池さん(左)と翠川さん(右)=10日、長和町 完成した山車を見つめる小池さん(右)ら=13日、長和町完成した山車を見つめる小池さん(右)ら=13日、長和町
 小県郡長和町の豊受(とようけ)大神宮で14、15日に行われる例祭「おたや祭り」で、今年も五つの地元保存会が山車を奉納する。江戸時代後期には催された記録があり、身近な材料を使って毎年1月4日から一斉に手作りする山車は県選択無形民俗文化財。多くの保存会で高齢化が進む中、中町保存会には30代2人が加わった。農業小池雅志さん(36)は伝統を引き継ぎ、次世代につなぐ気持ちを新たにしている。

 干支(えと)の順番を決める競争で、ネズミは牛の背中に乗って進み、最後に飛び降りて一番になった―。中町保存会は今年、民話「十二支のはじまり」に基づいて仕上げ、神社近くの道端に据え付けた。山で採取した枝や、エノキ栽培で使ったおがくず、蚊帳などで中国の山を幅10メートルほどで表現。驚く牛の顔の前を行くネズミ、にこやかに進むトラなどを置いた。13日は雨がぱらつき、シートをかけた。「動物の顔など、遊び心のある山車を楽しんで見てほしい」。小池さんが満足そうに話した。

 中町保存会は約30人で多くは60〜70代、最高齢は80代後半だ。小池さんは3年前から参加。諏訪、上田市で自動車整備などをしていた頃は手伝えなかったが、地元で就農することになり、渡辺黎さん(73)に誘われた。

 屋台が並び、町が一年で最もにぎわう。幼い頃から祭りは「特別な日」だった。同級生は県外に出たり、町外に家を建てたり。「このままだと(山車作りは)途絶えてしまうかもしれない」と思った。

 4日から連日、午前8時半から午後5時すぎまで高さ1メートルほどの牛の像作りに打ち込んだ。「固まりができないように」と翠川治夫さん(82)らが助言。小池さんは先輩をまねながら木型に新聞紙や綿を貼り、丸みを帯びさせた。

 渡辺さんは「毎年大変だけれど、これがあるから地域がまとまる。若い世代もみんなでできればいい」。「作り方を覚え、後から入って来た人に伝えられるようにしたい」と話す小池さんは今後、地区外の友人にも協力を呼び掛けていこうと考えている。

(1月14日)

長野県のニュース(1月14日)