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葉物野菜は割安、雪かき負担減… 県内消費者ら暖冬の恩恵も

 平年より気温の高い日が続く今冬、県内では雪や冷え込みを期待するレジャー施設や生産現場がある一方で、「暖かいおかげで助かる」と歓迎する声も聞かれる。葉物野菜が安く家計にはうれしいほか、ハウス農家などでは燃料費も抑制できる。スキー場の雪不足の影響もあってか、温水プールやスケート場の中には客足が好調な所もある。

 「キャベツが安い。しばらく続くとうれしい」。松本市渚のスーパー「ツルヤなぎさ店」で20日、買い物に訪れた同市波田のアルバイト女性(51)は話した。

 店頭ではキャベツのほか、コマツナやミズナが例年のこの時季より3割ほど安く、いずれも100円を下回る価格で並ぶ。ツルヤ本社(小諸市)によると、野菜の安値は例年より暖かく、日照時間も長いため生育が良いことが理由という。

 暖かいと燃料代も少なくて済む。下伊那郡喬木村の農業、古田桂護(けいご)さん(42)は、イチゴを栽培するハウス内の室温が8度を下回ると暖房を稼働させる。例年11月〜翌年3月の燃料代は10アール当たり100万円かかるが、同じように暖かった昨冬は同60万〜70万円ほど。今冬はさらに稼働が少ないといい「少しでも経費がかからないのはありがたい」。

 雪をかく機会も少ない。「いつもなら腰が痛い時季」と言う大町市の洋品店経営、塩入博仁さん(78)は先日、友人たちと旅行に行った。「雪かきがなく体調が良かったおかげかもしれない」。ただ、あまりに少雪だと「大町ではないようで」と複雑な表情も浮かべた。

 利用が好調なレジャー施設もある。長野市の屋内プール施設「サンマリーンながの」の昨年12月の利用者は約1万4千人に上り、前年同月の1・5倍余に増加。今年1月も19日までで1万500人と、早くも前年同月1カ月間(1万700人)に迫る勢いだ。

 昨年10月、定額料金を払うと月に何回でも利用できる会員制度を導入。その上で担当者は「暖冬で外に出やすく、施設に来やすい環境だった」とし、スキー場の雪不足も背景にあるとみている。岡谷市の「やまびこ国際スケートセンター」ではリンクの維持に苦労があるものの、今月2〜4日のスケート靴貸し出し数は例年より2〜3割増えた。

 県内は「大寒」の20日も、最高気温が3月上中旬並みとなった所が多かった。長野地方気象台によると、今冬は上空の偏西風が例年より北側を流れる影響で寒気の南下が弱い上、日本の東海上の低気圧が弱く冬型の気圧配置が長続きせず、気温が平年より高い日が続いている=図。

 この日、無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を祈る県無形民俗文化財「寒の水」があった北佐久郡御代田町草越(くさごえ)では、県内外の赤ふんどし姿の男性約50人が「よいしょー」の掛け声とともに冷水を体に浴び、町内を駆け回った。肌を赤くし、気合を入れて挑む姿は例年と変わらなかったが、小諸市の会社員岩下力さん(35)は「いつもより寒く感じなかった。昨年生まれた子どもの健やかな成長を祈って多めに浴びた」と話した。

(1月21日)

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