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値上げ タクシー離れ警戒

県タクシー協会が加盟社に配る、初乗り運賃を記したシール県タクシー協会が加盟社に配る、初乗り運賃を記したシール
 2月1日に運賃・迎車料金を値上げする県内のタクシー業界が、値上げによる客離れに神経をとがらせている。今回の運賃改定は、乗務員の高齢化や人手不足に対応し、待遇改善につなげるのが大きな狙い。収益の改善が進まなければ、待遇改善はおぼつかない。多くの事業者が国の示した上限額に引き上げる中、一部は下限額に抑える方針。値上げに見合ったサービス強化を探る事業者もいる。

 県タクシー協会によると、今回の運賃改定で加盟全103社が初乗り運賃と加算運賃の双方について国が示した新運賃の上限額に値上げする見通し。迎車料金については、ほぼ全社が200円にする予定。長野市(一部を除く)と千曲市、埴科郡坂城町を含むA地区は約21年ぶりに迎車料金が復活し、それ以外の県内全域のB地区は20円の値上げとなる。ただ値上げするかどうかは各社が任意で選べる。

 B地区で同協会に加盟していないあずさ交通(松本市)は、初乗り運賃を上限より40円安い下限額(600円)とし、迎車料金は180円で据え置く。人件費や燃料費の高騰に収益を圧迫されているが、「車両をたくさん所有する大手に対抗するには、運賃を安くして客を集めるしかない」とする。

 同じく非加盟の聖高原バス(東筑摩郡筑北村)も値上げによる客離れを抑えようと、初乗り運賃は下限額(600円)で申請。迎車料金は20円引き上げて200円で申請した。担当者は「(距離を短くして割安にする『初乗り距離』の)1・2キロを超える利用が多いので、増収にはつながると思う。安くなった初乗り運賃で客離れを抑えたい」と話した。

 桜観光タクシー(長野市)の滝川哲也会長(県タクシー協会会長)は「運転手は出来高制なので、運賃が値上げされれば賃金に還元される」と期待。ただ、初乗り距離を短くして初乗り料金を安くする「初乗り距離短縮運賃」が増収につながるかは「様子を見る必要がある」と警戒する。アルピコタクシー(松本市)も「値上げによる客離れの可能性もある」としつつ、一定の増収を想定している。

 タクシー業界は近年、訪日旅行者の増加も背景に、現金を使わないキャッシュレス決済や、スマートフォンのアプリを使う配車サービスへの対応も求められている。長野タクシー(長野市)は今月14日にスマートフォンで支払いができるQRコード決済を導入するなどIT化を急ぐ。石川猛社長は「利用者の利便性を高め、値上げによる客離れを食い止めたい」としている。

(1月23日)

長野県のニュース(1月23日)