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安曇野 コハクチョウ飛来半減 少ない積雪 北日本から南下せず?

平年に比べコハクチョウの飛来数が少ない犀川白鳥湖=23日午後0時23分、安曇野市豊科田沢平年に比べコハクチョウの飛来数が少ない犀川白鳥湖=23日午後0時23分、安曇野市豊科田沢
 安曇野市一帯にシベリアなど大陸北部から毎冬飛来するコハクチョウが今冬は平年の半数ほどにとどまっている。地元の保護団体「アルプス白鳥の会」によると、この時季に迎えるピークでは通常700〜800羽が飛来するが、23日時点で343羽。今のところ積雪が少ない日本海側の越冬地で餌を確保できるために南下してこないとみられ、暖冬が動物の行動にも影響を与えていそうだ。

 23日午前11時半、同市内の飛来地の一つ、犀川白鳥湖(豊科田沢)ではコハクチョウが川岸で羽を休める姿や、「コー、コー」と鳴き声を上げながら数羽ずつ飛び立つ姿が見られた。だが、数は少なめ。小雨も降っており、カメラを向ける愛好家や観光客もまばらだった。

 安曇野市へのコハクチョウの飛来は1984年12月の初確認以降、36シーズン続いている。飛来数は過去20年、488〜2398羽で推移し、500羽を下回ったのはいずれも暖冬傾向だった15年と18年のシーズンだけ。同会事務局の会田仁(まさし)さん(70)は「今後増える可能性もあるが、これまでの暖冬の年と比べても今シーズンは少ない。長野県より北の越冬地も積雪がなく、田んぼの落ち穂などの餌を食べることができているのではないか」とみる。

 一方、コハクチョウが安曇野に飛来する前に経由する場所の一つ、山形県酒田市の最上川河口周辺では現在、平年より1・5倍ほど多い約1500羽がいるという。コハクチョウの生態を研究している同市の角田分(わかつ)さん(72)は「田んぼに例年あるはずの積雪がなく、コハクチョウは餌探しに困っていない状況。今シーズンはシベリアへの帰行が早まるかもしれない」と話す。

 渡り鳥の調査研究をしている認定NPO法人バードリサーチ(東京)は「シベリアからの飛来自体が減っているとは考えにくい。積雪が少ない影響で南下が進んでいないのではないか」と分析している。

 5年ほど前から犀川白鳥湖にコハクチョウの撮影に来ている松本市島内の70代男性は「いつもより少なくてさみしい。地球温暖化を身近な問題としてもっとまじめに考えなければならないのかもしれない」と話していた。

(1月24日)

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