長野県のニュース

転倒リスク分析 労災事故予防 佐久のマイクロストーン

背中と腰に付けた計測器(右)と、転倒するリスクの高さを表示した画面背中と腰に付けた計測器(右)と、転倒するリスクの高さを表示した画面
 センサー開発のマイクロストーン(佐久市)は、同社の小型計測器を使って歩き方の特徴を解析するサービス「歩行ケア」で、転倒するリスクの高さが瞬時に分かるソフトウエアを2月5日に発売する。体のぶれを示す波形を人工知能(AI)が分析。予防につながるお勧めの運動も紹介する。人手不足や定年延長で中高年の工場などでの転倒事故が増えており、事故防止を図る企業の需要を見込む。

 同社の計測器は、動く物体の傾きや加速度を測定するセンサーを内蔵。背中と腰に取り付けて10メートル歩いてもらい、データをパソコンに無線で送信する。専用ソフトで解析すると、背中と腰のそれぞれについて、上下、左右、前後の動きが波形で表示され、体のぶれや動きの滑らかさが分かる。従来は専門知識を持つトレーナーが波形を見て歩き方の特徴を説明し、改善方法を指導していた。

 新開発のソフトは波形をAIが分析し、転倒するリスクの高さを0〜100の数値で表示。リスクを「低い」「やや低い」「やや高い」「高い」の4段階に分類し、「ふらつき」「つまずき」「すべり」から特に注意が必要な転倒の仕方を示す。転倒予防につながる運動は動画で見られる。価格は計測器や基本ソフトとのセットが税別90万円、新ソフトのみが同20万円。

 厚生労働省のまとめでは、2018年に国内で起きた労災事故による死傷者は12万7千人余で、うち転倒事故が3万1千人余で最多。加齢とともに転倒リスクは高くなり、働く中高年層の増加を受けて転倒事故は年々増えている。マイクロストーンの白鳥敬日瑚(のりひこ)社長は「定年延長の流れは今後さらに広がり、企業にとって転倒事故への備えが重要な課題になる」と指摘する。

 同社は事業所にトレーナーを派遣して歩き方の改善点を助言するサービスを手掛けているが、専門家がいなくても簡単に注意点が分かれば、計測器やソフトの販売先を拡大できると判断した。産業技術総合研究所(茨城県つくば市)と共同で波形と転倒リスクの関連性を調べ、約1500種類の波形をAIに覚え込ませてリスクや改善方法を分析できるようにした。

 マイクロストーンの19年6月期の売上高は2億1千万円余。産業用設備などの振動を計測するセンサーが主力で、歩行ケア関連の売上高比率は15%ほどだ。白鳥社長は「振動センサーの納入先などに歩行ケアを売り込み、振動センサーを上回る事業規模に伸ばしたい」としている。

(1月28日)

長野県のニュース(1月28日)