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自閉スペクトラム症の可能性 1歳半で相当程度予想

 自閉スペクトラム症(ASD)の診断を巡り、1歳半健診時のチェックリストでその可能性を相当程度予想できることが10日までに、信州大医学部の篠山大明(ささやまだいめい)准教授(44)=児童精神医学=らの研究グループの調査で改めて確認された。保健師らが経過を追うことで、早期診断、早期対応につながるとしている。

 2009年4月〜12年4月に生まれ、岡谷市で1歳半健診を受けた計1067人について、その後小学校に入学するまでにASDと診断された33人(3・1%)と、そうでなかった子どもたちとのチェックリストの回答の違いを比較した。

 比べた設問は、全て「はい」か「いいえ」で答える形式の18項目で、うち11項目で「有意な差」が認められた。例えば「なぐり書きができますか」(1044人回答)では、後にASDと診断された33人の15・2%(5人)が「いいえ」と答えた一方、診断されなかった1011人で「いいえ」としたのは1・2%(12人)だけだった。

 「言われたことばを分かっていますか」「何かに興味を持った時、指をさして伝えようとしますか」などの設問でも、「いいえ」と答えた割合は、後にASDと診断された子どもたちの方が高かった。

 厚生労働省によると、ASDは1歳台で、人の目を見ることが少ない、指さしをしない、ほかの子どもに関心がない―などの様子が見られる。一方、発達の仕方を見極める必要があるため、2、3歳にならないと確定診断はできないという。

 調査結果について「ほぼ想定通りだが、しっかり検証できたことに意味がある」と篠山准教授。1歳半健診は母子保健法に基づき全市町村に実施が義務付けられており、チェックリスト上に現れる統計的な差に、健診時に母子と面談する保健師の経験値も加えて経過を観察していくことで、「成長に適した形で早期支援が可能になる。モデルとなる健診方法を開発していきたい」としている。

(2月11日)

長野県のニュース(2月11日)