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ウイルス対策 県内受注急増

ウイルスを分解する効果がある素材をフィルターに使った信州セラミックスの空気清浄機。注文が急増している=大桑村ウイルスを分解する効果がある素材をフィルターに使った信州セラミックスの空気清浄機。注文が急増している=大桑村
 肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大を受け、空気清浄機や除菌装置、マスクといったウイルス対策商品を手掛ける県内企業への注文が急増している。各社によると、一般家庭のほか、医療機関、福祉施設、バス会社からの注文が目立つ。感染拡大の終息が見通せない中、製造委託先との追加生産の調整や増産対応を急いでいる。

 セラミックス複合素材開発の信州セラミックス(木曽郡大桑村)では1月以降、菌やウイルス、花粉を分解する効果が確認されている自社開発の粉末素材「アースプラス」を使った空気清浄機の受注が急増。特に家庭向け機種の注文が伸び、1月の出荷台数は前年同月の2倍に上った。

 同社はアースプラスを塗布したフィルターを国内の電機メーカーに供給して空気清浄機の製造を委託。当初は5月ごろまでを見込んで在庫を用意したが、需要が伸びる花粉シーズン中に欠品しそうなため、電機メーカーと協議して追加生産する方針だ。桜田理社長は「感染拡大の終息時期が見えず、しばらく高水準の受注が続きそうだ。対応を急ぎたい」と話す。

 農業用機械など製造のIHIアグリテック(本社・松本市、北海道千歳市)では、菌やウイルスを分解する効果があるオゾンを使った除菌装置の受注が急増。医療機関など従来の顧客に加え、日本人初の感染者が観光バスの運転手だったこともあってバス会社からの注文が相次ぐ。持ち運びできる小型機種の受注は、例年の約5倍に増加。2月初めに環境関連機器を製造する岡山事業所(岡山市)の生産工程を一部見直し、小型機種の増産を始めた。

 除菌効果がある次亜塩素酸水を霧状にして噴き出す超音波噴霧器が主力の星光技研(長野市)では、1月下旬以降の噴霧器の受注が例年の約2倍に増えた。一般家庭だけでなく、医療機関や福祉施設、保育園・幼稚園、学習塾からの注文が多く、本社工場の操業時間を延ばして増産に対応している。

 繊維素材開発のナフィアス(上田市)では、微細な繊維「ナノファイバー」を使った高機能マスクの受注が増え、約3万枚分の在庫が1月中になくなった。同社はナノファイバーを塗布したフィルターをマスク加工メーカーに供給して製造を委託。メーカーに追加生産を打診したが、他社から注文が殺到し、すぐには対応できないと伝えられた。

 それでも、納品が春以降になっても構わないという顧客の注文を受け、13万枚分の生産を依頼した。3月中と5月中の2回に分けて出荷できる見通しだ。渡辺圭社長は「新型肺炎がいつ終息するか分からず、中長期的な視点で感染症に備えるために、企業などの間でマスクを備蓄しておきたいとのニーズが高まっているようだ」としている。

(2月13日)

長野県のニュース(2月13日)