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信濃町で窒息事故 非圧雪 スキー場内も危険

男性が雪に埋もれ、死亡した現場(赤いポール)。新雪の森の中を滑る「非圧雪コース」だった=10日、信濃町男性が雪に埋もれ、死亡した現場(赤いポール)。新雪の森の中を滑る「非圧雪コース」だった=10日、信濃町
 上水内郡信濃町のスキー場「タングラムスキーサーカス」で9日に東京都日野市の男性会社員(39)がスノーボード中に転倒、雪に埋もれて窒息死した事故は、新雪の感触が楽しめるとして近年人気の「非圧雪コース」で起きた。専門家によると、同様の事故は全国で発生。山スキーと比べて安全とされるスキー場内であっても、十分な注意を求めている。

 事故があったのはスキー場内の森の中を滑る「ツリーランコース」と呼ばれる上級者コース。長野中央署などによると、男性は自らが先に、友人男性が後を追う形で滑っていた。コース序盤の急斜面から緩斜面に入った場所で転倒し、逆立ちした状態で腰まで雪に埋もれたという。

 タングラムによると、一帯には前日からの降雪で新たに約60センチの積雪があったという。新雪を楽しむには絶好の条件だったが、滑走具を外すと足が雪の中に沈んで抜けず、友人が助けようとしても容易でなかったとみられる。

 タングラム支配人の吉岡厚志さん(50)によると、県内では近年、ふかふかの新雪を求めて訪れる海外客が増加。非圧雪コースを設けるスキー場が相次ぐ。ただ、こうしたコースは危険と隣り合わせ。NPO法人日本雪崩ネットワーク(北安曇郡白馬村)によると、スキー場内で新雪に埋もれて窒息死した人は、国内で把握しているだけでも2002〜17年に18人に上る。

 タングラムは非圧雪コースの入り口に、新雪への埋没や立ち木への衝突の危険性を示し、「回避できる知識と技術が必要。ご自身の判断と責任でご入場ください」などとする看板を立てていた。吉岡さんは「新雪の危険性についてさらに啓発を強め、万が一の際にも迅速に救助できる態勢を強化したい」とする。

 日本雪崩ネットワーク理事の出川あずささん(58)は「仲間と一緒に視界に入る範囲で滑り、常に仲間の動向を把握してほしい」と強調。救助要請用の笛を首につるしておくことや、雪に埋まりそうになった場合、すぐに口と鼻の周りを手で覆って空間をつくることなどを助言している。

(2月13日)

長野県のニュース(2月13日)