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新型肺炎感染拡大 県内経済にも悪影響の懸念

 新型コロナウイルスの感染拡大は、県内経済にも深刻な悪影響を及ぼす懸念がある。中国からの団体旅行のキャンセルで観光・宿泊業が打撃を受けており、製造業では部品の調達・供給や商談の停滞を心配する声が上がる。政府が中国・湖北省に加えて浙江省に滞在していた外国人の入国拒否を表明するなど影響は日に日に広がっており、県内企業も不安を募らせている。

 県旅館ホテル組合会(長野市)の中村実彦会長(北安曇郡白馬村)は、中国人団体客を受け入れる県内の宿泊施設でキャンセルが相次いだと説明。「今後は日本人の旅行者や中国以外の訪日客の旅行控えが心配だ。昨年10月の台風19号災害や今冬の雪不足もあり、経営が厳しくなってくる宿泊施設もあると思う」と話した。

 中部圏社会経済研究所(名古屋市)は、新型ウイルスの感染拡大で、2020年に県内を訪れる中国人の旅行消費額が最大約44億4千万円減少するとの推計を発表。重症急性呼吸器症候群(SARS)による中国からの訪日客数の減少率が最大だった03年5月(前年同月比69・9%減)の状態が1年間続いた場合の消費額の落ち込みを試算した。

 帝国データバンク松本支店によると、県内企業を対象に毎月実施している景気動向調査でも、新型ウイルスの感染拡大を懸念材料に挙げる企業が出始めた。外国人誘客への影響に加え、中国工場の生産停滞によるサプライチェーン(部品の調達・供給網)の寸断を心配する製造業者が少なくない。

 同支店の担当者は「県内は全国に比べて宿泊業者の倒産件数が多く、外国人客の減少が倒産や休廃業を加速させる可能性がある」と懸念。「製造業では中国から部品を仕入れている県内企業も多い。米中貿易摩擦の長期化で製造業の景況感は悪化しており、さらなる下押し圧力になることは間違いない」とする。

 長野経済研究所(長野市)は「サプライチェーンの影響も大きいが、中国の生産、消費が落ち込めば輸出にも打撃になる」(調査部)と指摘。当面はトヨタ自動車など大手自動車メーカーの中国拠点の操業が順調に再開できるかがポイントになるとする。

 諏訪信用金庫(岡谷市)によると、新型ウイルスの感染拡大に関連した資金繰りの相談は今のところない。ただ、取引先から「人の移動が制限され、中国企業との商談が進まない」といった声が聞かれるという。

(2月14日)

長野県のニュース(2月14日)