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「風評被害に怖さ感じる」 松本の会社社長、新型肺炎「感染者」とのデマ拡散される 

「なぜこんなことが…」とデマに困惑する小林社長=5日、松本市「なぜこんなことが…」とデマに困惑する小林社長=5日、松本市
 県松本保健所管内(松本市、塩尻市、安曇野市、東筑摩郡5村)で新型コロナウイルス感染者が確認されてから自身を感染者だとするデマが広まっているとして、松本市の建築業「小林創建」社長の小林稔政さん(46)が自社ホームページ(HP)などで否定し続けている。県発表の感染者情報と一致する点はなく、近く、不安や風評をあおるのは残念―などとする新聞広告も出す。

 自らに向けられたデマを小林さんが知ったのは、県が感染者確認を発表した日の翌日の2月26日。取引先からの、こんなうわさ話を聞いたが―との確認の電話だった。数日後には、会社名まで記して小林さんと妻が感染者だとするツイッター(短文投稿サイト)の書き込みを確認。会社周辺の施設名を挙げ、「近辺は注意してください」などと記されていた。

 県によると、県内の感染者は同保健所管内在住の60代男性会社役員とその妻だが、小林さんは40代で独身。それでも会社に1日数件の問い合わせ電話が続いたため、今月2日、自社HPに「『弊社の社員がコロナウイルスの感染者である』とのうわさ話が広がっているが、事実と異なる」との文章を掲載。警察にも相談している。

 全く身に覚えもない出所不明のデマ被害に、小林さんは「風評被害は誰の身にも降りかかるものだと怖さを感じた」と話している。

 東京大大学院の関谷直也准教授(44)=災害社会学=は「人々の不安感が収まらない限りこうした事態は続く。一つずつ打ち消していくしかない」と指摘。信州大地域防災減災センターの菊池聡センター長(57)=心理学=は「不安状態を解消しようと根拠のない情報を発信してしまう『善意のデマ発信者』にならぬよう、情報内容に矛盾がないか、『ここだけの話』などの触れ込みがないかチェックすることが必要」としている。

(3月6日)

長野県のニュース(3月6日)