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SNS犯罪増加 事業者は子どもを守れ

 会員制交流サイト(SNS)を通じて犯罪被害に遭う子どもが増加している。2019年は過去最多の2082人に上った。

 高校生が半数を占める。中学生は前年より223人増えて847人、小学生も72人に増えた。低年齢化が進む。

 大人が安全な利用を子どもに促すとともに、SNS事業者には子どもを守るという社会的責任をきちんと果たしてもらいたい。

 警察庁によると、被害者はこの7年でほぼ倍増した。法改正で出会い系サイトを通じた被害が減少する一方、SNSによる危険な「出会い」が急増している。

 大半は性被害だ。言葉巧みに1対1のやりとりや対面に誘い込まれ、裸の写真を要求されたり、撮影されたり、性的な行為を強要されたりしている。

 危険な投稿は事業者も監視している。それでも「隠語」が多く、巧妙に擦り抜けている。そこで人工知能(AI)で閲覧履歴を解析し、不適切な利用傾向のある人物に警告を発する仕組みを導入するIT大手も現れた。

 利用情報から人物像を推測する手法はプライバシーや人権を侵害する面がある。明確な説明と同意を前提に進めてもらいたい。

 被害の多いサイトはツイッターが5年連続で最多、インスタグラムが3位、ラインが4位だった。

 有名なSNSも設定によって情報が不特定多数にさらされれば、危険だ。事業者は安全な利用法を分かりやすく発信してほしい。

 2位の「ひま部」、5位の「マリンチャット」(いずれも当時)は親世代になじみが薄い。新しいサービスと事業者が次々と生まれている。全業界体で対策に取り組まねばならない。

 有害サイトを回避するスマートフォンのフィルタリング機能も被害の防止に役立つ。スマホ販売店では18年から利用者の年齢確認が義務付けられ、18歳未満の場合はフィルタリング設定をして販売している。

 ただ、被害者の大半は設定していない。保護者も購入時だけでなく、日ごろからスマホの設定には気を配っておきたい。

 今やSNSは子どもの日常の一角を占める存在だ。心のよりどころにする子もいる。中には金品や性的関係を安易に求め、自ら危険に近づく子もいる。

 そこに付け込む犯罪の抑止に腰が重い事業者は、市場から淘汰(とうた)されてしかるべきだ。年齢確認や保護対策の徹底、安全情報の丁寧な提供を求めたい。

(3月24日)

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