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「延期でも交流続けたい」 県内ホストタウン、調整開始

コスタリカの選手に向け松川町の小中学生が書いたはがき。近く予定通りに発送する=25日コスタリカの選手に向け松川町の小中学生が書いたはがき。近く予定通りに発送する=25日 聖火リレーの中止を受け、市役所に設置していたカウントダウンパネルを撤去する安曇野市職員=25日聖火リレーの中止を受け、市役所に設置していたカウントダウンパネルを撤去する安曇野市職員=25日
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う東京五輪・パラリンピックの延期を受け、参加する国・地域の「ホストタウン」に登録した県内自治体が25日、交流計画の中止などの調整を始めた。盛り上がりがしぼまないか気にしつつ、関係者らは「変わらず交流は続けたい」と気持ちを切り替えようとしている。

 「聖火リレー開催まであと9日」―。安曇野市役所では、玄関に置いていたカウントダウンパネルを、職員が庁舎内の倉庫へとしまった。五輪延期で中止が決まった聖火リレーの準備を進めてきたこの職員は「思い入れもあっただけに、寂しい」と一言。同市はオーストリアのホストタウンで、来日予定だった訪問団と市民によるカヌー競技観戦ツアーも計画していたが、白紙に戻すという。

 岡谷市は、カナダのホストタウン枠で市内の小中学生に卓球競技観戦チケットの有料配布を計画し、25日発行の広報紙で観戦希望者を募ったばかり。急きょ、募集を停止することにした市企画課は「1年間の延期となればその間の新たな事業が必要になる」と仕切り直す考えだ。

 上田市も、中国からの事前合宿を菅平高原で受け入れようと種目を定めずに調整を始めたばかりだった。担当者は「今後も動きが取れるよう、開催時期の確定などに注目したい」と切り替える。

 デンマークのホストタウンの長野市は、市内の競泳施設「アクアウイング」で7月に事前合宿を受け入れる予定だった。修学旅行でパラリンピック競技を観戦することになっていた小学校も少なくとも7校あるといい、対応を検討。このうち車いすバスケットボールを観戦しようと、義足体験の授業も行ってきた三本柳小は、週内に予定していた職員の下見の延期を決めた。

 北佐久郡立科町は、アフリカ・ウガンダの陸上中長距離選手の事前合宿受け入れを準備。町内の子どもを五輪会場に連れて行く計画だったが、宙に浮いた。「五輪に向けて高まった町内の機運がしぼまないようにしたい」と担当者は口にする。

 同様に「変わらず交流を続けられるよう今後の事業を考えていきたい」と話すのは下伊那郡松川町教委の片桐比呂巳さん(42)。町民が中米コスタリカの選手を応援する観戦ツアーなどの事業は取りやめたが、町内の小中学生約470人が選手に宛てた応援のはがきは、近く、予定通り発送するつもりでいる。

 「交流を市民レベルで盛り上げる時間が増えたと前向きに考えたい」とするのは千曲市ハンガリー友好協会長の高久景子さん(71)。市はハンガリー卓球連盟と五輪の事前合宿に関する協定を結んでいるが、昨年の台風災害の対応に追われ、準備時間が十分ではなかったという。

 東ティモールのホストタウン、伊那市の出身で日本東ティモール協会(東京)の会長を務める北原巌男さん(72)も「感染拡大が落ち着いて、安心して開催できる時が来るまで、気持ちを新たに準備したい」と話した。

(3月26日)

長野県のニュース(3月26日)