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緊急事態下の憲法記念日 「自由を」「尊厳を」今こそ

松本駅お城口広場で開いた「青空記者会見」で、表現の自由などを訴える市民団体のメンバーら=3日、松本市松本駅お城口広場で開いた「青空記者会見」で、表現の自由などを訴える市民団体のメンバーら=3日、松本市
 新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言が継続されている異例の状況の中、日本国憲法は3日、施行から73年を迎えた。県内では感染防止のため、「憲法記念日」の集会などが多く自粛されたが、感染防止を図りながら、緊急事態下においても市民の権利や生活を守るために声を上げる人たちがいた。

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 松本市では、中信地方の市民団体などでつくる「本気でとめる戦争!中信市民連合」が「緊急事態だからこそ表現の自由を!」と題し、松本駅お城口広場で「青空記者会見」をした。新型コロナ感染症患者らへの差別や、営業自粛要請などに従わない事業者らへの行きすぎた批判について問題提起。「私たち国民の『民度』が問われている」と訴えた。

 共同代表で信州大名誉教授の又坂常人さん(71)=松本市=は、要請に応じない人や感染者、医療従事者らに「人権侵害に近い罵詈(ばり)雑言が浴びせられている」と指摘。安倍晋三首相らは緊急事態宣言が改憲論議に波及することへの期待感を示しているとし、「同調圧力や空気感を利用する動きに警戒する必要がある」と述べた。

 同じく共同代表で安曇野ちひろ美術館常任顧問の松本猛さん(69)=安曇野市=は、フリーランスのアーティストらの窮状を強調。人間らしい生活に文化芸術は欠かせないとし、根幹となる表現の自由について「こんな状況だからこそ、もう一度考えないといけない」と訴えた。

 参加者を約20人に絞り、間隔も空けるなど感染防止に配慮した。

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 茅野市民の有志でつくる「平和をまもる茅野市民の会」は、同市の国道152号あけぼの隧道(ずいどう)近くの交差点で街頭活動。マスク姿の約20人が憲法の大切さと、緊急事態宣言下にある住民の暮らしを守ることを訴えた。

 街頭活動は毎月3、19日に実施。緊急事態宣言発令を受けて4月19日は中止したが、憲法記念日のこの日は街頭に立った。スピーチした同会代表の片木日出雄さん(78)は「戦前の国民の苦難を再び許してはいけない。そのために憲法はつくられた」と強調。「改憲は決して許してはいけない」と訴えた。

 新型コロナ特措法について「休業要請で生じた国民への補償のことは書いておらず、私権が侵害される危険性がある法律」と指摘。参加者は「自粛と補償は一体で」「今こそ国民の命を政治力で救え」と記した紙を掲げた。

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 長野市赤沼の佐藤貴さん(84)は、東日本大震災の復興の象徴でもあるヒマワリの種を憲法記念日に合わせ、自宅近くの畑にまいた。長女の知人を通じ、福島でヒマワリを咲かせるプロジェクトがあることを知り、2012年から自分で収穫した種を福島に送ってきた。

 しかし、昨年の台風19号で自宅が浸水し、家財と一緒に今年まくはずだった種が流されてしまった。それを知ったプロジェクト関係者が種を贈ってくれた。「互いに復興へ歩む中、国民一人一人の幸せや尊厳の大切さをうたった憲法の価値を改めてかみしめたい」と話した。

(5月4日)

長野県のニュース(5月4日)

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