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感染対策指針 悩む山小屋 手洗いや3密回避「街と同じようには…」

北ア白馬連峰の玄関口となる猿倉登山口。県や大町署などが、山小屋が営業していないことや登山自粛を呼び掛ける案内板を設置している=21日、白馬村北城北ア白馬連峰の玄関口となる猿倉登山口。県や大町署などが、山小屋が営業していないことや登山自粛を呼び掛ける案内板を設置している=21日、白馬村北城
 県は22日、新型コロナウイルス感染症拡大を抑えるため出していた事業者への休業要請や依頼のうち、接待を伴う飲食店などへの休業要請を解除した。残るは県独自に31日まで山小屋に出している「休業の検討協力依頼」のみ。大半の山小屋が営業自粛を続ける中、県は21日、山小屋経営者らと営業再開に向けた課題について松本市内で意見交換した。感染防止策をどう打ち出せばいいのか、経営者らの悩みは尽きない。狭い山小屋では密集などの「3密」の回避も限界がある。県は県内の山小屋を対象とする予防策の指針作りを打診したが、山小屋側は「山域や立地条件で事情が異なる」と、難しさを指摘している。

 県は北アルプスや南アルプス、八ケ岳といった主な山域の山小屋代表者と非公開で意見交換。県山岳高原観光課の担当者は、山小屋での感染対策を盛り込んだ営業指針作りを持ち掛けた。これに対し山小屋側からは「あまり細かい内容だと実施は難しい」といった意見が出た。

 出席した白馬岳など北ア北部の山小屋組合の松沢貞一(ていいち)組合長(68)は取材に、条件が厳しい山頂付近では「手洗いなどにたくさんの水は使えない」と説明。31軒が加盟する同組合は今月、テント場も含めて小屋を予約制にし、シーツに代わるものを登山客に持参してもらうことなどを決めたという。

 加盟している小屋のほとんどが7月中に今季の営業を始める予定。松沢組合長は「山小屋で完全に『3密』を避けるのは難しい。登山者自身も意識を高め、マスクや消毒用具を持参するなど協力してほしい」と訴える。

 八ケ岳連峰の天狗岳近くで山小屋を営む米川岳樹(たけき)さん(49)は、県の休業依頼解除後の6月1日以降、営業する予定。宿泊客の受け入れを制限しトイレの消毒を徹底するものの「街なかと同じような対策は難しい」と話す。

 仮に山小屋の指針が作成された場合、「登山客が指針に合わない不備な点を見つけ、インターネットで拡散させないか心配」と懸念する。

 県山岳高原観光課の田中達也課長は会合後、今後も山小屋関係者と連絡を取りながら「必要な対応を整理していく」とするにとどめた。

(5月22日)

長野県のニュース(5月22日)