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県内公立高、生徒45人妊娠 15~16年度 うち16人は退学

 県内の公立高校が2015〜16年度、生徒計45人の妊娠を把握していたことが28日までに、信濃毎日新聞の県教委への情報公開請求で分かった。このうち、3分の1強の16人は学業を続けず退学していた。県教委や高校の支援態勢は十分とは言えず、専門家は「学校側は安易に退学や転校させないでほしい。学業や支援の機会を断つことになる」と訴えている。

 文部科学省の全国調査の一環で、県内は全日制全80校と定時制全20校を対象に、生徒の妊娠や退学の状況などについて調査した。県内の高校生の妊娠に関する実態が明らかになるのは初めて。17年度以降の実態は調べていない。

 開示資料によると、全日制では2年間に32人の妊娠を把握し、退学は11人、転校は7人。残る14人は通学を続けた。定時制では13人の妊娠を把握し、退学5人、転校1人。残る7人のうち、5人が通学を続け、2人は休学した。妊娠を理由に懲戒処分で退学とした事例はなかったとしている。

 県教委は高校に対し、生徒の妊娠を把握した場合、本人と保護者、教員が話し合い、生徒に寄り添った対応を取るよう指導している。松村明・心の支援課長は「教員側には妊娠する生徒が悪いという認識が残っている」と述べ、支援や対応が行き届いていないことを認める。

 妊娠の相談や支援などに取り組むNPO法人「ピッコラーレ」(東京)の松下清美理事(61)は、退学や転校で人間関係が断たれ、支援の手から遠のく可能性があると懸念。「家族の中でも孤立しているケースがある。学校や教員は親身になって対応してほしい」と求めている。

 文科省の調査は全国の公立高校を対象に行い、全日制1006人、定時制1092人の妊娠を把握、このうち674人が退学した。同省は18年、生徒が妊娠した場合、学業継続の意思があれば退学の勧告を行わないよう各都道府県教委に通知している。

(6月29日)

長野県のニュース(6月29日)