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1千万人感染 課題の洗い出しを急げ

 新型コロナウイルスの感染者が世界全体で1千万人を超えた。死者は50万人を上回る。

 中国で初の感染症例が報告されてから半年余りで地球全体に広がった。感染拡大のペースは今も勢いを増している。

 一方、日本政府は一定の封じ込めができたとして、国内での自由な往来を解禁した。感染状況が落ち着いているベトナムを皮切りに、ビジネス関係者に限り出入国制限の緩和にも踏み切った。

 日本の第1波は、欧州からのウイルス流入を防げず広がったとの見方が強い。外から第2波を招かないためにも、検疫の体制強化を図るとともに、感染状況を慎重に見極め、適切に緩和を判断していかなければならない。

 政府は、14日以内に111カ国・地域での滞在歴がある外国人の入国を拒否している。入国できるのは日本人や、日本人の配偶者などに限られ、全員が検疫所でPCR検査を受ける。

 厳しい制限があるにもかかわらず、空港検疫ではほぼ連日、感染者が見つかっている。29日までに308人を数えた。

 全国の空港や港にある13の検疫所のPCR検査能力は1日最大計2300件だ。徐々に入国者を増やすにしてもすぐに対応できなくなるのは目に見えている。

 検査結果の問い合わせや通知にも対応しなければならない。狭い敷地内での新たな検査所設置や人員確保は相当困難だろう。

 コロナ禍が長引くことを前提に、入国者への検査を工夫していく必要がある。

 国内の感染状況も気掛かりだ。

 28日は新規感染者数が113人となり、5月25日の緊急事態宣言全面解除後の最多を更新した。

 特に東京都はここ数日50人前後で推移し、これまで落ち着いていた他の自治体でも新規感染者が現れている。

 政府は、第2波の可能性を否定し、「医療体制は整備されている」として特別な措置を取らない方針を示している。

 油断は禁物だ。

 第1波では、コロナ対応のために他の疾患の患者が手術を後回しにされたり、感染した高齢者施設の入所者が入院治療を受けられずに死亡したりした。こうした事例を再び起こさないために、どこまで改善が進んでいるのか。

 感染防止策を検証する政府の有識者会議があす初会合を開く。地球全体が感染地であることを念頭に、早急に課題を洗い出し備えに反映させるよう求めたい。

(6月30日)

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