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大型「石刃」次々 人類渡航の足跡? 佐久の香坂山遺跡で発掘

香坂山遺跡で出土した大型の石刃=20日午後2時20分、佐久市香坂香坂山遺跡で出土した大型の石刃=20日午後2時20分、佐久市香坂
 佐久市香坂にある後期旧石器時代の香坂山(こうさかやま)遺跡で独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所(奈良市)主任研究員の国武貞克さん(45)が進めている発掘調査で、ユーラシア大陸から日本列島に人類の祖先が渡ってきた年代を示すと考えられる多数の大型の「石刃(せきじん)」が見つかった。大型の石刃は中央アジアや中国、韓国などで出土している。それらの年代を追い、今回見つかったものの詳しい年代測定を進めることで人類の祖先がいつ、どこから日本に渡ったのかの解明につながるとしている。

 石刃の平均的な大きさは長さ4〜6センチ。大型の石刃は、ナイフのように使われていたとみられる。これまでの研究や国武さんの調査で、イスラエルでは約5万年前、中央アジアのタジキスタンでは4万7千年前、中国では4万4千年前、韓国では4万2千年前のものが出土。ユーラシア大陸の東に向かうほど、2千〜3千年ずつ新しい年代のものが出ている。

 香坂山遺跡は1997年に県埋蔵文化財センター(長野市)が調査。大型の石刃が数点見つかり、約3万5千〜3万6千年前と後期旧石器時代では国内最古級の遺跡とされている。

 国武さんは、97年の調査よりも多くの大型の石刃が見つかれば、人類の渡航の足跡を裏付けられると考える。8月3日に地元の考古学者の協力を得て数人で調査を開始。20日までに2区画計48平方メートルを深さ3メートル近くまで掘り、約3万4千年前よりも古い地層から長さ12センチ、幅3センチ、厚さ1・5〜2・0センチの大型の石刃を含む600点近い石器を発見した。石刃は放射線を使った測定で詳しい年代を調べる。

 国武さんは「日本人がいつ、どこから来たのか、知りたいことに答えてくれる遺跡。列島にやってきた最初のホモ・サピエンスたちの姿が見えてきた」と話している。

(8月21日)

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