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県内山岳遭難40〜50代最多 高齢者自粛 過信の中年も

 県内で今年に発生した山岳遭難事故で、遭難者の年代別で例年は最多となる60代以上の割合が減り、40〜50代が半数近くを占めていることが25日、分かった。年間を通じ40〜50代の割合が60代以上を上回れば、少なくとも過去10年間で初めて。新型コロナウイルスの影響で高齢者が登山を控える一方、中年が体力を過信し、テント泊などの重装備でレベルの高い登山を志向している可能性を専門家は指摘している。

 県警山岳安全対策課によると、今年1月1日〜8月23日の遭難者数は115人。年代別では、40〜50代が最多の54人(47%)で半数近くを占め、次いで60代以上の36人(31・3%)、20〜30代が25人(21・7%)だった=グラフ。

 昨年1年間を見ると、遭難者290人のうち最多は60代以上の124人(42・8%)で、40〜50代は108人(37・2%)、20〜30代は53人(18・3%)、19歳以下は5人(1・7%)。同様に少なくとも過去10年間は60代以上が最多の傾向が続いてきた。同課の伴野達也次長は今年の年代の変化について、新型コロナウイルスの重症化リスクが高い高齢者が、山小屋の宿泊制限の影響で登山自体を断念した事例が多かったのではないかとみている。

 北アルプス烏帽子岳のブナ立尾根では7月下旬、津市の男性(42)が疲労で動けなくなった。テント泊の装備を含む30キロの荷物を担いで大町市の七倉登山口から入山、槍ケ岳に至る「裏銀座コース」と呼ばれる上級者向けルートを登り始めたところだった。

 8月15日にはテント泊の荷物を背負い、1泊2日の計画で中央アルプス駒ケ岳に登った都内の男性(48)が、下山中にバランスを崩して約20メートル滑落、右足首を骨折した。

 県山岳協会の杉田浩康会長(66)=安曇野市=は、例年は山小屋泊まりの40〜50代が「テントだったら大丈夫」と入山している可能性があると分析。テント泊には体力や経験が必要といい「いざ登り始めたら重さが負担となり若い頃のように歩けなかったということもある」としている。

 県警によると、今年のお盆(8〜16日)に県内で起きた山岳遭難は前年同期(10〜18日)比2件減の22件、遭難者数は1人増の25人。熱中症の症状で注意力が散漫なまま下山中に転倒、滑落する事例が目立った。

(8月26日)

長野県のニュース(8月26日)