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防災の日 コロナ下の備え意識を

 秋の台風シーズンが近づいてきた。大型の9号が北上している。

 7月には梅雨前線による集中豪雨が九州地方を襲ったばかりだ。大規模な自然災害への備えだけでなく、感染拡大が続く新型コロナウイルス対策も意識しなくてはならない。

 きょう1日は「防災の日」。例年この時期は各自治体が総合防災訓練を行う。今年は密閉、密集、密接の「3密」による感染リスクを避けるため縮小や中止を決めた所が多い。

 やむを得ない判断とはいえ、コロナ下の非常時こそ考えなくてはいけない大きな課題がある。避難所の感染予防対策だ。

 国の通知や県が示した避難所運営マニュアル策定指針に基づき、各市町村は5月以降、それぞれ見直しを進めてきた。

 3密を回避するために避難世帯同士の間隔を2メートル以上空ける。間仕切りを設けて飛沫(ひまつ)感染を防ぐ。発熱など感染疑いのある人が出た場合に備えて専用スペースを設けておく―といった対応だ。

 避難所は床に座ったり寝たりすることが多く、落ちたしぶきに触れて感染する危険もある。避けるには段ボールベッドも必要だ。

 対応は現状で十分か。早急に点検し、スムーズな運営ができるよう準備を進めたい。

 収容人数が大きく制限されるため、従来の指定個所以外の避難所を増設しなくてはいけない。

 国や県は、ホテルや旅館の活用も求めている。市町村では地元の旅館組合や寺院などと協定を結ぶ動きが広がってきた。

 昨年の台風19号では、県と県ホテル旅館生活衛生同業組合の協定により、宿泊施設を高齢者や障害者らの避難所として提供。北信の約460人が活用した。避難所の拡大と並行して、受け入れ態勢の拡充をさらに進めたい。

 災害危険区域からホテルに避難した妊産婦や乳児、重度障害者らに自治体が宿泊代金を補助する動きも全国的に広がる。県内では須坂市も7月から始めた。

 避難所の過密を避けて車中泊や自宅避難を選ぶ人も出かねない。エコノミークラス症候群や災害関連死を招く危険がある。地域の自主防災組織などと連携し、孤立させない目配りが求められる。

 感染対策を徹底するための取り組みは、被災した人たちの避難生活のストレスをやわらげ、健康を保つことにつながる。市町村が運営マニュアルの改定で充実させた内容を住民に周知し、災害時の迅速な避難に結び付けたい。

(9月1日)

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