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コンビニの実態 悪循環生むいびつな関係

 暮らしに身近な社会インフラとなったコンビニ。その現場が置かれた過酷な現実が改めて示された。

 公正取引委員会が、大手8社の計約1万2千店から回答を得た大規模調査の結果を発表した。本部とフランチャイズ(FC)加盟店のいびつな関係が浮き彫りになっている。

 FC契約では本来、本部と加盟店オーナーは対等であるはずだ。オーナーは本部が開発した商品や経営ノウハウを使い、対価としてロイヤルティーを支払う。

 調査で明らかになったのは、オーナーが24時間営業をやめたいと思ってもやめられなかったり、意に反した必要以上の仕入れを本部から強要されたりするケースが珍しくない業界の実態だ。

 公取は、そうした本部の対応が独占禁止法違反(優越的地位の乱用)に該当する可能性があると指摘。11月末までに改善結果を報告するよう求めた。各社は指摘を重く受け止めねばならない。

 月に7日以上の深夜勤務をこなし、休日は月に2日。年収は5年前の778万円から586万円に激減。調査から見えてきた標準的なオーナーの姿である。

 加盟店は本部と取引しないと営業できない。根底では本部が優位な立場にあるところに、業界の競争激化を背景にした本部の販売計画ありきの姿勢がオーナーを追い詰めてきたと言える。

 一地域に集中出店して市場占有率を高める「ドミナント出店」という戦略がある。近隣に追加出店された既存店には売り上げに直結する事態なのに、「本部から何も提案されなかった」とした回答が62%に上った。加盟店の事情を省みない姿勢が常態化していた。

 本部の指導員も苦しい立場にある。恵方巻きなど季節のイベント商品を「自分もポケットマネーで購入するので協力してほしい」などと頼み込む事例が目立った。オーナーは「かわいそうに思って」必要以上を仕入れていた。

 業績向上ばかり重視する組織の論理に現場がのみ込まれ、悪循環が繰り返されたのではないか。

 コンビニ経営を巡っては近年、人手不足に悩む加盟店の苦境が社会的に注目され、大手各社が時短営業を導入するなど、改善策も少しずつ具体化し始めている。

 増加の続いたコンビニの店舗数は2019年度に初めて前年を割り込んだ。コロナ禍の影響で売り上げが落ちた店も少なくない。

 本部が現場の苦境と本気で向き合わない限り、持続可能なビジネスモデルは見えてこない。

(9月7日)

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