長野県のニュース

「6メートルミリ波電波望遠鏡」 日本天文遺産に認定

野辺山宇宙電波観測所に設置されていた1989年当時の6メートルミリ波電波望遠鏡(国立天文台提供) 野辺山宇宙電波観測所に設置されていた1989年当時の6メートルミリ波電波望遠鏡(国立天文台提供) 
 日本天文学会は7日、天文学に関する国内の歴史的資料を認定する「日本天文遺産」に、かつて国立天文台野辺山宇宙電波観測所(南佐久郡南牧村)で使われた「6メートルミリ波電波望遠鏡」など3件を選んだと発表した。世界で3番目に稼働を始めた本格的なミリ波電波望遠鏡。同日、オンラインで記者会見した同学会の梅村雅之会長は「電波天文学の草分け」と紹介した。

 6メートルミリ波電波望遠鏡は、松本市の松商学園短大(現松本大松商短大部)学長を務めた天文学者の故・赤羽賢司東京大名誉教授らのグループが中心となって1970(昭和45)年、東京都三鷹市の東京天文台(現国立天文台)敷地内に建設。宇宙にあるさまざまな物質の分子が出す短い波長の「ミリ波」を捉えることで、オリオン星雲の星間分子を検出するなど多くの研究成果を挙げ、現在野辺山観測所にある45メートル電波望遠鏡の建設につながった。

 84年に運用を終えると岩手県の観測施設を経て、89年に野辺山観測所に移設。複数の電波望遠鏡を使う観測方法「超長基線電波干渉計(VLBI)観測」の一翼を担った。93年からは鹿児島大(鹿児島県)で使われた後、2018年に国立天文台へ戻され、保存、公開されている。

 日本天文遺産は、天文学や暦学の資料を保存し次世代に伝える目的で18年度に創設。観測施設や機器、天文学関連の文書などを対象に選ぶ。今回は他に「キトラ古墳天井壁画」(奈良県明日香村)と「明治20年皆既日食観測地および観測日食碑」(新潟県三条市)も認定。発表は3月を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で延期していた。

(9月8日)

長野県のニュース(9月8日)