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タクシー運行の諏訪交通 訪問介護本格化 生活介助に参入へ

ストレッチャーに乗ったまま移動できる諏訪交通の車両。介護タクシーに加え、生活介助サービスも始めるストレッチャーに乗ったまま移動できる諏訪交通の車両。介護タクシーに加え、生活介助サービスも始める
 タクシー運行の諏訪交通(諏訪市)は来春にも、訪問介護事業を本格化する。これまで高齢者の通院や買い物の送迎を担ってきたが、新たに家事や入浴支援といった生活介助サービスも提供する。高齢化で需要が拡大し、通年で利用が見込めると判断。新型コロナウイルスによる外出自粛が響いて本業のタクシーの稼働率が低迷する中、安定的な収入確保につなげる。

 生活介助サービスでは、ケアマネジャーが作る計画に沿い、自宅での入浴や排せつの支援の他、料理を作ったり掃除をしたりする。介護保険適用で、利用者は料金の一部を負担する。乗務員約50人のうち10人は既に介護職員初任者研修を修了。新たに訪問介護事業を統括する介護福祉士を採用する計画だ。

 諏訪交通は2010年に訪問介護事業の許可を取得。福祉事業部を設置し、通院や買い物の送迎を担う「介護タクシー」を運行してきた。通常運行は観光客の利用が多く、季節や経済情勢によって浮き沈みが大きいが、介護タクシーの19年の利用実績は月200件程度で安定している。

 同社は介護タクシー用にストレッチャーや車いすに乗ったまま乗降できる車両を7台所有。体調悪化時などに24時間態勢で急行できることも強みとして売り込む。数年後をめどに、訪問介護事業の売上高5千万円を目指す。

 諏訪交通は諏訪、岡谷、茅野各市に営業所を置き、20年3月期の全売上高は約1億8千万円。新型コロナの影響で20年4月以降の各月の運送収入は前年同月の4〜7割程度にとどまる。休業手当を国が助成する雇用調整助成金を活用してしのいでいる。山谷恭博社長は「観光に依存していては厳しい。コロナ禍でもニーズがなくならない分野として、福祉や介護に力を入れたい」としている。

 県タクシー協会や県介護支援課によると、県内でも介護タクシーの運行事業者は少なくないが、生活介助を手掛けるケースは珍しい。長野観光自動車(長野市)は、以前は生活介助をしていたが、現在は高齢者向けの買い物の代行や病院への付き添いにとどまる。担当者は「人手が足りず手が回らない」と説明。新型コロナを受けて新事業を模索する動きは目立つが、人材の確保が課題となっている。

(9月11日)

長野県のニュース(9月11日)