長野県のニュース

斜面

  • 4月24日 斜面

    父が事故を起こしたとの連絡に血の気が引いた。10年近く前の筆者の経験だ。当時父は80代。母の通院や買い物に車が手放せなかった。離れて暮らす筆者は、母の世話を任せきりにしているとの負い目もあり、不安をやり過ごしていた…

  • 4月23日 斜面

    口伝の民話には、その国の文化や伝統が息づいている。「スリランカの民話」は同国有数の寺院の住職タランガッレー・ソーマシリさんが翻訳し16年前に出した。仏教説話など源流が同じためか、日本の昔話と類似が多く親しみがわく…

  • 4月22日 斜面

    走りながら自分と向き合う人は多い。本当に大事なものは何かと考えたり、もやもやした感情の正体が見えてきたりする。頭の中ではドラマの主人公になっている。ランナーズハイというものだろう。いつもの街の風景が非日常に映る…

  • 4月21日 斜面

    古びた蛇口から黒っぽいものがぶら下がっている。小玉スイカほどの大きさで深い光沢がある。落ちる寸前の水滴に見える。両手で包み込むと手のひらに吸い付くような感触がある。佐野暁さんの漆塗り作品「ぼく うるしぬりくん」だ…

  • 4月20日 斜面

    一定の権限を与えられ誇りを持って取り組めなければ、いい仕事はできない―。そんな当たり前のことを改めて教えている。自動車メーカー、スズキの検査不正に関する調査報告書だ。社内で対応策を検討するため法律事務所が調べた…

  • 4月19日 斜面

    法学部の研究室から噴き出た炎がツタのはう壁を黒焦げにした。昨年9月、九州大。この部屋で長年、憲法を学び続けてきた元院生の男性は何を焼き払おうとしたのか。自らも火に包まれて46歳の命を絶った。遺書は見つかっていない…

  • 4月18日 斜面

    擦りむいた膝に塗ってもらうと痛みが和らぐような気がして不安も幾分収まった。消毒薬の「マーキュロクロム液」だ。愛称「赤チン」のほうが通りがいいだろう。筆者が小学生だった昭和30年代は学校の保健室や家庭の常備薬だった…

  • 4月17日 斜面

    第1次大戦の前年、作家の島崎藤村は世間の目を逃れるように渡仏し、3年間パリに滞在した。姪(めい)との深い関係を清算するための身勝手な逃亡だった。その間の作品には、留学中の日本人画家や市民との交流が冷静な目で描かれている…