「春宮一」建て御柱で転落事故 2人死亡2人けが

(2010年5月 9日) 

「春宮一」の建て御柱で3人が落下、青いシートの向こう側を救急搬送された=8日午後5時3分、諏訪大社下社春宮

 8日午後5時ごろ、諏訪郡下諏訪町の諏訪大社下社春宮境内で、諏訪大社御柱祭の下社里曳(び)きの「建て御柱」の最中、「春宮一」の柱の先端部分に乗っていた氏子の男性3人が落下し、2人が全身を強く打つなどして死亡、もう1人と、下にいた氏子の男性1人の計2人が軽傷を負った。諏訪署が関係者から事情を聴くなどして事故原因を調べている。
 死亡したのは岡谷市小井川の増沢徳寿さん(45)と同市加茂町の平田和也さん(33)。ともに建て御柱を指揮する「建て方」だった。事故当時、柱には十数人が乗っていた。
 高さ約17メートル、周囲約3メートルの「春宮一」はこの日、同市内の氏子らの曳行(えいこう)で、同町東町上の注連掛(しめかけ)を最初に出発し、正午すぎに春宮境内に到着。柱の先端を三角すい状に削り取る「冠落とし」をした後、建て御柱の作業に入った。事故が起きたのは柱がほぼ垂直に立ち上がったころで、3人は十数メートルの高さから落下。諏訪署によると、死亡した2人は石畳に落ちた。下にいてけがをした男性は、上から落ちてきた物で頭部を打撲した。
 居合わせた曳行の関係者によると、柱を支えていたワイヤのうち1本(直径1・2センチ)が切れており、バランスを崩した可能性がある。死亡した2人は命綱を付けていなかったとみられる。諏訪署はワイヤの切断と事故との関係も調べている。
 県警などによると、諏訪大社御柱祭では1992年、下社山出しの木落としで曳き子の男性が死亡。86(昭和61)年は下社山出しで木落としを見物中の女性が落石に当たり、80年には上社里曳きの建て御柱で梃子(てこ)係の男性が柱の下敷きになり、亡くなった。
 8日開幕した下社里曳きは、8本の御柱がそれぞれ春宮境内へ入る斜面で「ミニ木落とし」をし、秋宮の4本は同夜までに春宮近くの下馬橋付近に留め置かれた。諏訪地方観光連盟の御柱祭情報センターによると、同日の人出は14万6千人。前回より2万6千人多く過去最高だった。