TOP2015年04月支え合う山小屋、再起期す 御嶽五の池小屋従業員、春山は北ア・徳本峠へ
徳本峠への入山の段取りを話し合うため、高山さん(左)宅を訪ねた市川さん=1日、松本市島内

 昨年9月の御嶽山の噴火後に入山規制区域に含まれ、許可なく近づけない御嶽五の池小屋(岐阜県下呂市)の従業員4人が、春山シーズンを迎える北アルプスの徳本(とくごう)峠小屋(松本市安曇)で今月中旬に働き始める。五の池小屋は、雪解け後に入山規制区域が縮小されるのを待って7月1日の営業開始を目指しており、4人は同じ小屋番たちの支えを受けて再起を期す。

 五の池小屋は下呂市所有で、火口から2キロ余。3月31日に気象庁が火山活動への警戒が必要な範囲を火口から半径2キロ圏内に縮小し、地元自治体も雪解け後に入山規制区域を縮小する方針で、同小屋の営業開始も現実的になっている。

 五の池小屋管理人の市川典司さん(44)=下呂市=は1日、徳本峠小屋顧問の高山良則さん(70)=松本市=を訪ねて打ち合わせをした。市川さんは「山小屋の仕事は経験を重ねることが大切。4人が一緒に働けることに感謝したい」。高山さんは「場所は違っても、同じ山小屋として助け合いたい」と話した。

 北ア北部の山小屋で働いた経験がある市川さんは、2000年に五の池小屋の管理人に。昨年の噴火当時は小屋でけが人の手当てや看病、行政機関との連絡に当たり、噴火翌日に岐阜側に下山したという。「自分が犠牲になっていたかもしれない。(大勢が犠牲になったことが)ただただショックだった」と話す。

 市川さんは昨年末に知人を通じて徳本峠小屋の関係者と知り合い、自身を含め従業員の男女4人が働くことが決まった。市川さんは6月中旬ごろまで働いて五の池小屋の営業開始に備える。「客が減っても、登山者の安全のために小屋を営業させたい」と願っている。

 木曽郡木曽町、王滝村などは、噴火で営業が見込めなくなった御嶽山の山小屋関係者が他の山小屋で働く例は聞いていないとしている。

2015年4月 2日掲載