TOP2015年11月情報提供と読み解く力を 「観光と防災」テーマに山梨でシンポ
「火山地域の観光と防災」をテーマに意見を交わすシンポジウムの参加者=6日、山梨県富士吉田市

 昨年9月の御嶽山の噴火災害などで、全国的に課題となっている「火山地域の観光と防災」をテーマにしたシンポジウムが6日、山梨県富士吉田市で開かれた。同県富士山科学研究所の主催で、長野県内からを含め約100人が参加。国内外の研究者が事例報告し、行政や研究機関の積極的な情報提供と、登山者らのリテラシー(情報を読み解き利用する力)向上が重要になると強調した。

 米地質調査所ハワイ火山観測所のジェームズ・カウアヒカウア氏は、ハワイ島キラウエア火山について説明。流れ出た溶岩が街に近づいた昨年、溶岩流の最新情報、危険性の評価などを住民向けの会議やウェブサイトで知らせ、住民からの質問にも応じたと報告した。

 神奈川県温泉地学研究所の萬年一剛主任研究員は、箱根山・大涌谷で6月に起きた噴火を踏まえ、観光客らが必要以上に警戒しないよう、「国民の火山リテラシーの向上や、情報発信についての社会学的な研究が必要」と指摘。富士吉田市の渡辺岳文・富士山火山対策室長は、御嶽山噴火を踏まえ、噴火警戒レベルの引き上げに至らない火山活動の変化も「情報を知らせることが重要だ」と述べた。

 7、8日は火山防災情報の発信などをテーマにしたワークショップ(体験型講座)がある。

2015年11月 7日掲載