TOP2018年09月遺族ら、頂上慰霊へ一歩 規制解除おおむね了承

 2014年9月の噴火後、山頂部の入山規制が続く御嶽山の火山防災協議会幹事会が5日、岐阜県高山市であり、木曽郡木曽町が、町側から山頂部までの登山道の入山規制を解除する方針を示し、おおむね了承された。町は今月26日に規制を解除する方針。解除後の安全対策などについて、協議会を構成する長野、岐阜県などの全機関と調整した上で最終決定する。

 幹事会は非公開。木曽町などによると、同郡王滝村や県と3月にまとめた御嶽山防災力強化計画に盛った山頂付近へのシェルター(退避壕(ごう))設置などハード対策5項目、山小屋への指導所設置などソフト対策6項目が9月中旬にほぼ完了するとの見通しを町側が示した。専門家からは、登山者への啓発などについて意見が出た。町は今後、それぞれについて改善策を示した上で規制解除を決める。

 町によると、調整の進み具合によっては26日より解除が遅れる場合がある。規制を解除しても、今季は山小屋の営業が終了した時点で、現在と同じく火口からおおむね1キロ圏内を入山規制範囲にする方針だ。

 噴火災害の被災者家族らでつくる「山びこの会」事務局代表のシャーロック英子さん(東京都)は、規制解除がおおむね了承されたことについて、「4年間待ち望んできた。もう一歩のところまで来た」と評価した。

 同会は噴火災害から4年の前日に当たる26日に慰霊登山を計画。同日までに山頂までの入山規制を解除するよう木曽町に要望している。シャーロックさんは「遺族が山頂まで登って慰霊することは、噴火後に止まってしまった心の時間を動かすのに大切な要素になる」とし、改めて26日の規制解除を望んだ。

 「好きだった手料理や甘い物を持っていって供養したい」。千葉県市川市の秋山秀子さん(61)は、一人息子の浩和さん=当時(25)=を亡くした。慰霊登山に参加する予定だが、「三回忌までにと思っていたけど、今は登れるだけでありがたい」と語った。

 近江屋洋さん=当時(26)=の父勇蔵さん(69)=横浜市栄区=は、規制解除に4年かかったことについて「安全対策に時間をかけてから解除したのは妥当だ」と評価。登山経験はないが、「早く息子の登山靴で、亡くなった場所まで行きたい」と話した。

2018年9月 6日掲載